Leica Life #04 「季節も変わり,写真も変わる」
随分と気温も上がり,日照時間も長くなり,草木は青く生い茂り.
季節が一気に夏へ向かって加速し始めている,そんな5月真っ只中.
レンズを変えたい!!!!
そんな思いが沸々とこみあげてきているのを感じる日々であります.
2019年元日に購入したLeica M-E.
そのお供として購入したレンズはCarl Zeiss Planar F2.0/50mmでした.
このZeiss 50mmは万能型と言って差し支えないと思います.
見ているままを綺麗に写し取ってくれる.素晴らしいレンズだと思っております.
しかしながら,この日差しの強まる季節には,どうしても合わないと感じてしまっているのです.
この夏特有の感じを撮りきれていない気持ちは,実はCanon時代からありました.
ここら辺はCanonで昨年の夏に撮影したいくつかの写真です.
(この頃は撮って出しにこだわっている時期でした.なので色が微妙になっていることも多々あり...)
これらを撮影している時の感覚は今でもよく覚えています.
まず眼前にある本来のシーンは「ものすごく眩しい」のです.
そのため,目をきちんと開くことも少なく,前を向くよりむしろ下を向きがちになります.
そして光学的には変な話ですが,シーンの中にピントが合っているように感じる場所は少ないのです(明るいシーンでは瞳孔が絞られる=被写界深度は深くなるはずなのですが).
おそらく前を向く頻度が少ないために,認識的にそういう感覚を持つんだと思います.
そんなシーンと印象をCarl Zeiss 50mmは再現してくれるでしょうか.
否.それはきっと叶わないのです.
僕がLeica購入以降撮り続けてきたシーンの特徴は,何と言っても『鏡面反射』です.
Zeissの綺麗にシーンを写し取る能力と,Leica M-E(M9) CCDの持つ味の組み合わせを心地良しとし,ひたすらに撮り続けてきました.
速写性を追い求めるブレッソンスタイルで,シャッタースピード/ISO感度は当然固定.
明るさ調節は,レンジファインダー内の露出計を見ながら絞り調節によるもののみ.
ベース絞りは大体8前後にしておき,解放にも絞りにもどちらにでも行けるような設定にしていたのです.
その結果,当然ながら絞ってある写真が増え,シーンに対してほとんどピントが合っているものになっています.
そこが夏を見る僕の眼との最大のミスマッチとなるわけです.
では一体この夏をどういうシューティングスタイルで乗り越えたらいいか.
それを最近模索してみたところ,ある程度の答えが見えてきました.
「速写性を捨て,絞りを全解放固定にし,シャッタースピードで明るさを調節する」
また現像プロセスでも変化を考えています.
今までのシーンの現像プロセスは,基本的に
1. コントラストをあげる
2. 黒レベルを下げる
3. 彩度を上げる
4. 青方向に色味を振る
というものでした.
しかし,夏の明るいシーンではそもそもシーン自体のコントラストが高い上,それを直視し続けるようなことがないので,
「コントラストは低いが彩度は高い」現像が要求としてマッチしてくるのです.
そんなお気持ちで撮影・現像した写真たちが以下になるわけです.
本当はもう少し解像感とボケ感の振れ幅を大きくして,味のある感じにしたいのですが,Zeissでは難しいかもしれません...
夏をうまく撮っていきたいな