火葬

祖母が亡くなってしまい
火葬場に行った

田舎の川沿いの 小さな火葬場だった

暇だからうろうろしていたら
火葬しているお兄さんが
「おばあちゃん、見る?」と言ってきて
もちろん見るやろ!と

火葬ガマの正面の椅子に座らせてもらって

小さい小さい穴から
おばあちゃんをずっとずっと見守った
お兄さんはそこから棒を差し込んで
まんべんなく骨になるように
そういう、作業もした。
その時は、横にずれて待っていた。

だからあれは、誰かに見せる用の穴ではないのである。

左側にドアのない入口があって
緑がきれいに見える
熱くなって、顔をそらした。

そこに、ひょっこり
生きていた時のおばあちゃんが、
私をみにきてくれた。

あら~、何してるの、と
話しかけてきた。

後ろで手を組んで、
灰色のシャツと薄紫のズボンで
笑っていた。

もう、熱い窯の中にはいないのかなって
安心した。
ちょっと泣きながら
ずっとずっと窯の中を見ていた


外に出てると、
私は沢に落ちたと思われてて
遠い親戚のみんなが川の中を
探してくれてて

私のやさしさのルーツ
ここからか?って思って
笑った。


今でも思い出すのは、
窯の中のおばあちゃんじゃなくて、
ひょっこり会いに来てくれた
おばあちゃんの姿。

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