美容師が月初めにお寺に行く理由
最近というかここ2ヶ月くらい月初めににお寺に参拝しに行っている。
理由はリセットをするためで、先月のいい事もわるい事もさらにはネットから一時的にじぶんを切り離したいからだ。
過去に起こった事に囚われ過ぎても目の前のことに集中できないし、非日常的な空間に身を置く事で強制的に社会と遮断するために選んだのがお寺だ。
それが神社でも、海でも、公園でもなんでもよかったけれど僕にとってベストはお寺だった。
ちなみにバキバキの無宗教だし神様、仏様もどちらかというと否定している派だけど、最近ではあるともないとも言えない事に対してきっぱりないというよりワンチャンあるかもしれないと考えたほうが楽しいと考えるようにしている。
言葉にできない感情もあるし、輪郭を持たないイメージもある。
言語化できない事ってたくさんあるから。
さて、お寺に実際何をしに行くかというと参拝と瞑想だ。
何もしないという事をしに行く。
トンチみたいな話だけれど、完全に何もしない事をするのが難しい文明に生きてしまっている。
だから、何もしないをする。
仏様に挨拶と考えらる身近な人の健康を祈り、畳の上でリラックスした姿勢になる。
背すじを伸ばし深呼吸をする。
深呼吸も慣れていないから、深深呼吸くらいする。
肺が小さくなったと感じられるくらい息を吐き出し、新しい空気をゆっくり体全体に取り入れるイメージ。
何回かゆっくり呼吸する事だけに意識する。
ぼんやりと全体を捉えてた視界も瞼で閉じる。
ただただ、息を吸って吐くを意識する。
だんだん無に近づきそうになればなるほど、情報がたくさん集まってくる。
セミが鳴いている。山中のセミが一生分かけて鳴いている。
近くからも遠くからも感じられて重なった音の密度が凄い。
座っているだけで汗が出てくる気温の中、時折肌に触る風が涼しい。
遠くの方で鐘をついた音がする。
じぶんの体重の分だけの力が畳の裏から伝わってくる。
身体いっぱいで夏を感じたのは今年初めてなような気がした。
『暑くてかなわんね〜』とおばちゃんが住職にセミと同じくらいの熱量で近況報告をしている。
相槌の声だけでも住職が聞き上手だという事を感じせられる。
もしくはおばちゃんの伝えたい気持ちが住職をその気にさせているのか。
どうでもいい事を考えてしまい、夏の暑さに根負けし姿勢を解いた。
、、、暑い。
なんの記念かわからないけれど、記念にお守りを買ってお寺を後にした。
こんなでリセットできたか分からないけれど、リセットをしにいったという満足感は手に入れそのままスーパーでラムネ味のアイスを買う。
ラムネ味のアイスを最大限に美味しく食べることではなく、美容師が月初めにお寺に行く理由は、気持ち切り替えて良い月にするためである。
8月も良い月に。