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社長は自分の給料を下げてでも会社を守らなければいけない!?

昨日は、以下で投稿した顧問先へ監査訪問。
社長は通院の為、一日不在。

本当は色々話を聞きたかったんだけど。
仕方がないので、金曜の午後に会社に電話することにしました。

会社に着くと、
管理職の人から色々と相談を受けました。
何やら工場の移転先が難航しているよう。

実はこの会社、
今借りている工場が建て替えを行うので、
来年早々には移転しなくてはいけなくて。

工場の賃貸で、
定期借家契約を結んでいて、契約満了による立ち退きになるので、
大家は立退料を支払うつもりはないみたい。

でもこちらからしたら、
大家からの誠意ある説明が全くないし、
定期借家契約の説明もきちん受けないまま、向こうの都合に合わせて、
契約期間を5年から3年、2年と故意的に短くされてきているので、
なんとか少しでも立退料もらえるように交渉中。

 定期借家制度では、契約で定めた期間が満了することにより、更新されることなく、確定的に賃貸借契約が終了するため、契約期間・収益見通しが明確になり、経済合理性に則った賃貸住宅経営が可能となります。

国土交通省より

定期借家契約は更新がないので、立ち退き前に契約期間が満了すると、
当然立退料の支払いは発生しないんですよね。
今回は、まさにこのパターン。

移転先もずっと探しているのですが、
なかなか良い物件がなくて。
今と同じくらいの広さで探すと、家賃は今の倍以上掛かってしまう。

社長は現状の設備を全部持って移転したいから、
「俺の給料下げれば、やっていけるだろう」と言って、
広い物件を探してきて決めようとする。

さらにここにきて、社長の病気の悪化もあって、
猶更社長は早く移転先を決めようとする。

でも社員からすると、
「社長。こんなところに引っ越してもやっていけませんよ。」
「今は使ってない設備もあるから、それは諦めて、もう少しコンパクトなところに引っ越しましょうよ。」と提言はしているけれど、

社長は全く聞く耳を持ってくれない。
決めるのは俺だの一点張り。


それで、私のところに相談があったわけなんですが。

私としては、
社長の気持ちも痛いほど分かりますよね。

自分が命を懸けて守ってきた会社だから。
創業からここまで自分一人で頑張ってきて、ここまで大きくして。
今回の移転で、会社の規模を小さくするなんて考えられないですよね。

だから私はその社員さんにこう言いました。

多分、
・社長には付いてけないと言って会社辞めるか。
・良さそうな物件を自分たちで探して、社長と掛け合ってみる。
の2択ですよ。

結局、社長への愚痴はあるものの、
何だかんだ言って、みんな会社が好きだし、社長が好きだから、
辞めるつもりはないんですよね。

自分たちだけで物件探して、もう一度社長と掛け合ってみることに。

            ***

病気が再発したり、工場の移転があったり災難続きだし。
社長から会社を取ったら何も残らないかもしれないけど。
でも、そこには社長のことを本気で心配してくれる社員がいて。

私とは全く違う人生を歩んでいるけど、
社長はきっとすごい幸せだなぁ。と感じる瞬間でした。

普通の社員なら、きっと愛想をつかしてとっくに辞めてますよね。

           ***

ところで、
社長の給与下げるなら、今月がリミット。
なぜなら社長の給与は好き勝手に変えられないから。

定期同額給与
(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定

国税庁より

社長の給与額を変えられるのは、基本的には年1回。
決算後の定時株主総会のタイミングになります。

これから会社設立して事業始めようとする人はご注意を。


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