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Secret Mirage 考察
この記事では、水本ゆかりと小早川紗枝の二人組ユニット「Rêve Pur」による楽曲「Secret Mirage」と、それにまつわるストーリー、イラスト、MV等の妄想考察を行います。
私が一番詳しいのは水本ゆかりであるため、記事の内容のほとんどが彼女を通して見たものであることにご注意下さい。
他の子からの視点は、それぞれの担当の方にお任せいたします。
楽曲タイトルについて
Secret Mirage というタイトルを直訳すると「秘密の蜃気楼」になると思います。しかし、そのままではちょっとニュアンスが掴みにくいですよね。
mirage という単語には、「蜃気楼」から転じた二つ目の意味があります。
1. 蜃気楼(蜃気楼); 逃げ水
2. はかない(実現不可能な)夢[希望、願望]
【語源】ラテン語「(鏡で)見る」の意
単なる蜃気楼でも良いのですが、個人的には二番目の意味の方が似合うように思います。ニュアンスとしては「誰にも言えない(Secret)、叶わぬ夢(Mirage)」といった感じではないでしょうか。
mirage の由来が「(鏡で)見る」であることから、もしかしたら鏡写しのような含みを持たせているかもしれません。
歌詞について
歌詞全文はリンク先にてご覧下さい。
「Secret Mirage」の歌詞を読み解くキーワードは「天秤」です。
ゆかりと紗枝の誕生日はともに10月18日であり、天秤座の生まれです。歌詞で「同じ星の定め」と言及していることからも、ライターさんがこのことを意識しているのは間違いないでしょう。
同じ星の 定めに生まれた
硝子色の花はまるで私たちみたい
また、歌の収録の際には、声優さんがスタッフから「ふたりの誕生日を知っていますか」とたずねられたエピソードもあります。
ちなみにゆかりと紗枝の体重はともに42kgであり、ふたりを天秤にかけるとピタリと釣り合います。別に意図したわけではないでしょうが、ちょっと面白い一致ですよね。
さて、前置きはこれくらいにして、歌詞を順に見ていきましょう。
揺れるココロのせて 奏でましょう
青い夜に浮かぶ 銀の星座の調べ
歌い出しでは歌全体の方向性を提示しており、この歌が、天秤のように揺れ動く心情を描いたものであることが分かります。「青い夜」は、単純な夜の表現としてだけでなく、15歳という青い春(思春期)の年頃に関連づける意図もあるかもしれません。(夜の色を「単なる青」で表現することはあまりないように思われるので)
そしてこれ以降、天秤を意識した歌詞の対比が様々なところで見られるようになります。最も直接的なのはサビです。
知られたくない けれど知りたい
二つの想い 天秤にかけ
そのまま天秤という言葉が出てきているので、ここはとても分かりやすいと思います。「知られたくない」と「けれど知りたい」が対比になっています。
永遠に似た 刹那のほとり
漂ってたいの
「永遠」と「刹那」が対比になっています。
このままがいい このままでいて
「このままがいい」は自分の願い、「このままでいて」は相手への願いであり、対比になっています。
あなたがいれば あなたとならば
きっと行ける どこまでだって
それなのにもう どこにも私
行きたくはないの
「あなたとならば きっと行ける どこまでだって」だけなら割とありふれた表現だと思いますが、後半で「それなのにもうどこにも行きたくない」と続くのはすごく鋭い切り返しですよね。
溶け合うほどに 深く包まれてゆく吐息(秘密) Mirage
お互いを知り仲が良くなる(溶け合う)ほど、自分の気持ちを相手に悟られないよう深く隠さなければならない、という文脈です。前述の「知られたくない けれど知りたい」との対比も抜群で、とても美しい構成になっています。
また、直接的な対比ではありませんが、歌詞中に「熱い」「体温(ぬくもり)」「熱情」というような表現がでてきます。これらに対して「夜」「星」等の単語が効いているおかげで、夜の涼しさと二人の熱との鮮やかな対比が生まれていますね。
また、対比ではありませんが、色々な解釈ができそうな部分として「硝子色の花」が挙げられます。
同じ星の運命に生まれた
硝子色の花は まるで私たちみたい
ここでの硝子は、「美しいけれど、壊れやすいもの」としての表現だと思います。2Dリッチでもガラス等が割れる表現がでてきますね。また、後の歌詞にも繋がってきます。
ほんの少しの きっかけでさえ
崩れそうな 二人の天秤
硝子というワードを事前に置いておくことで、それが布石となり、「ほんの少しのきっかけでさえ崩れそうな」という印象を増幅させています。
ところで、「硝子色の花」というのは、なんと実在します。「山荷葉(サンカヨウ)」という名で、濡れると花びらが硝子細工のように透けてみえるそうです。そして、その花言葉には「清楚な人」があります。
ゆかりと紗枝が、互いを清楚な人だと思っていることがアニメ「シンデレラガールズ劇場えくすて」で明かされており、偶然かもしれませんが、面白い符合ですね。
綺麗なままの 清らなままの
夢を見ていたい
この部分はもしかしたらユニット名を意識した歌詞かもしれません。「Rêve Pur」は直訳で「純粋な夢」を意味します。
イベント考察
Secret Mirage は "LIVE Groove Dance burst" というイベント形式で行われました。これはゆかりと紗枝が初めて共演したイベント "あいくるしい" と全く同じ形式となっています。単なる偶然という可能性もないわけではないのですが、その場合 LIVE Groove になる確率は1/5であり、さらに Dance burst となる確率は1/3であるため、およそ6.67%の確率となってしまいます。意図的に重ねたと考えた方が自然ではないでしょうか。
イベント登場アイドル
Secret Mirage のイベントコミュに登場するアイドルは以下の通りです。
【メイン】
・水本ゆかり
・小早川紗枝
【レギュラー】
・涼宮星花
・新田美波
・鷹富士茄子
・依田芳乃
【ゲスト】
・相川千夏
・黒川千秋
イベントではドラマの撮影が行われており、その主演はゆかりと紗枝です。そのドラマの共演者であり、オープニングからエンディングまで登場する四人をレギュラー、ドラマとは無関係であり、一話限りの登場に留まった二人をゲストと表現しました。
メインであるゆかりと紗枝の関係性については別記事("ゆかさえ" にまつわる全エピソードまとめ)でまとめているので、本稿では割愛します。
レギュラーのアイドルたちは基本的に二人組イベントの経験者で固められています。美波はデア・アウローラ、茄子はミス・フォーチュン、芳乃は山紫水明ですね。しかし、そんなレギュラーメンバーに例外があります。それが涼宮星花です。
【涼宮星花】
彼女はコミュのレギュラーであるだけでなく、楽曲にヴァイオリン奏者として参加しており、3DMV、2DリッチMVにも登場しています。なぜ星花がこのようにピックアップされているのかといえば、それはゆかりとの特別な関係性があるからでしょう。
モバマスにおいて、ゆかりと星花の間には、特定のアイドル間でのみ発生する特殊メッセージ「アイドルトーク」が設定されており、二人が所属する公式ユニットはなんと七つも存在します。これほど多くのユニットをもつ二人組はシンデレラガールズ全体を通しても他にいないのではないでしょうか。
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また、星花はアイドルでありながら、同時にプロのヴァイオリニストを目指しており、自分の向かう先をしっかりと見据えています。まだ進路を決めかねているゆかりにとって、星花はただ仲が良いだけではなく、お手本ともなる存在なのです。
また、Secret Mirageでは「天秤」がキーワードであることはすでに述べましたが、天秤座の天秤を持っているのはそのすぐ隣の乙女座の女神(星乙女)であるとされています。そして涼宮星花は乙女座です。たとえ偶然だったとしても、Secret Mirage のサポートとしてこれほど相応しいアイドルはいないでしょう。
【相川千夏】
『Rêve Pur』というユニット名が決まると、通りすがりの相川千夏がフランス語であることに言及していきます。フランス語に最も造詣が深いのは千夏なので、これは納得のワンポイントリリーフといえるでしょう。(フレデリカは羽衣小町イベントでゆかりと紗枝の両方と交流しているものの、あまりフランス語は得意ではない)
ただ、ゆかりも紗枝もフランスとはほとんど縁がないため、二人のユニット名がフランス語であることを不思議に思う方もいると思います。もしかしたらですが、二人の誕生花でもあり、ユニットロゴにもなっているベゴニアの花(フランス語由来)が関係しているのかもしれません。
また、2020年のバレンタイン限定SSR [想いのアンサンブル] 水本ゆかりでは紗枝とのツーショットが描かれていましたが、その時のSSR衣装にもフランス語が用いられていました。
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ゆかさえの組み合わせにフランス語を用いるのは、案外ユニット結成前から決まっていたのかもしれません。
MVの演出について
MVには3D版と2D版がありますが、どちらにも共通している演出があります。昼と夜です。
![](https://assets.st-note.com/img/1659725231726-dUnuYpD1Xg.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1659725268256-Idon8nKVXb.png?width=1200)
ここでいう昼とはいわゆるお昼時のことではなく、 "太陽が出ている時間" を指し、夜は逆に "太陽が出ていない時間" を指します。
MVはどちらも昼と夜の対比で構成されており、対比を利かせた構成というのは歌詞とも共通していますね。歌詞もMVもここまで徹底して対比を描いているのですから、そこから演出を読み解いていきましょう。
3D MV
対比を読み解く場合、その両者に共通する要素があると理解しやすくなります。3D MVで鍵となるのはランタンです。
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夜はともかく、昼間もランタンを掲げて歩いているのは少し不自然ですよね。何らかの婉曲的な表現だと考えるのが妥当ではないでしょうか。
ランタンの明かりは灯火であるため揺らめきを伴います。ちょうど歌詞にもあるように、『揺れるココロ』をこのランタンの揺れる灯火で表現しているのではないかと考えました。そしてランタンの明かり(揺れるココロ)は、日の光が当たる場所(公の場)では隠されてしまい、夜(プライベートな時間・場所)でのみ窺い知ることができるのです。
そう解釈すると、家同士の対立のために表立って会うことができず、密かに交流することしかできなかった劇中劇のストーリーとも、なんだか重なって感じられてきます。
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2Dリッチ MV
2Dリッチでも昼と夜の対比はあるのですが、3D MVの場合とは演出の意図が異なります。
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ふたりは同じ場所にいるのですが、ゆかりは昼(先述しましたが、太陽の光がある時間を昼と表現しています)の時間を、紗枝は夜の時間を歩いています。ふたりのいる時間軸が異なっているため、互いに認識することはできても、触れ合うことができません。住む世界が違う、何らかの理由で一緒にいることができないというようなことを暗喩しているのではないでしょうか。
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夜道を歩いている紗枝は、目の前を横切る光に手を伸ばすのですが、光は手をすり抜けていき掴むことはできません。また、後半で紗枝はどんどん光の当たらない場所に落ちていきます。
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闇の底へ落ちていく紗枝とは対照的に、ゆかりはこのとき何らかの力で上の方に押し戻されている様子が描かれます。ゆかりが光側の人間であるため底へ行くことができない、あるいは紗枝が助けを拒んでいるというようなことが考えられます。
イベントの劇中劇で、紗枝はゆかりのために、自ら会ったこともない遠方の貴族のもとへ嫁ぐことを考えるシーンがあります。MVでの何かを諦めたような表情が、このあたりと話とリンクしているようにも思われます。
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その後、紗枝はガラス瓶のなかに閉じ込められます。しかしそこには上から光が差し込んできており、ゆかりが紗枝を助けに現われます。
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紗枝は、自分を助けに来たゆかりを見て驚き、そして喜んでいるというよりはどこか悲しそうな表情をにじませます。劇中劇の台詞に「このままやと、うちは彼女に家を捨てさせてしまう……」というものがありましたが、実際にそうなってしまった時の表情がこんな感じになるのではないでしょうか。
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やがて、ゆかりは紗枝を閉じ込めていたガラス瓶を割ることに成功し、紗枝の隣に寄り添います。ここで注目したいのがふたりのいる場所です。この場面では光のあたる場所とそうでない場所がハッキリと分かれており、これまで一貫して光(昼)のなかにいたゆかりが、遂に光の当たらない場所(夜)に立ち入っているのです。
ふたりが触れ合うことができるのは夜だけとなっており、その点は3D MVとも共通しています。
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また、MV公開当初から一部で注目を集めていたのが、この時の紗枝の左腕です。フェードアウト時に、紗枝の左腕が力なくダランと崩れ落ちる演出があり、これが死を連想させるというものです。
昼(光)と夜(影)の対比で生と死を連想するのはわりと自然な展開ではあります。二人とも死んでしまったのか、紗枝だけなのか、それとも実は二人ともピンピンしているのか。
最後に現われるベゴニアの花だけがその答えを知っているのかもしれません。
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イベントカード
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イベントカードの特訓前のイラストを並べると、服の色が互い違いになっています。オタクが好きなやつですね。
そしてここでも、触れ合っているのは夜のみとなっています。
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ゆかりが左側、紗枝が右側に座っていますが、ランタンの配置はそれと逆になっています。(MVでは左の丸いランタンを紗枝が、右の四角いランタンをゆかりがもっていた)
おそらくクッションも同様で、本来はゆかりが水色、紗枝がピンク色のものだったのをあえて逆に配置しているではないかと思います。
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小指を繋いで背中合わせです。オタクの好きなやつですね。
昼と夜が交差する黄昏どき、ゆかりは夜の(紗枝のいた)方を見て、紗枝は昼(ゆかりのいた)の方を見ています。お互いの姿が見えなくても、交わした小指の約束だけで繋がっているという表現です。本当か?
最後に
以上が、私の目から見たSecret Mirageの解説となります。
当たり前ですが私個人による見解であり、公式の意図を汲んでいる部分もあれば、まるで見当違いをしている部分もあることでしょう。ですが、解釈の正誤に関わらず、誰かの意見が己の新しい閃きに繋がることもあります。
この記事が、読んだ誰かの新しい何かに繋がりますように。
ありがとうございました。