児童自立支援施設について①
突然ですが。
「児童自立支援施設」と聞くと皆さんはどんなイメージを持っていますか。
全くイメージのつかない方から「児童養護施設は知ってるけど」「少年院みたいな所?」という方まで様々だと思いますが、実はどの都道府県にも必ず一つ以上は設置されている、福祉施設なんですね。
そんな身近なようでいて、実際そこまで身近には感じない児童自立支援施設について色々書いてみたいと思います。
児童自立支援施設(じどうじりつしえんしせつ)とは、
『犯罪などの不良行為をしたりするおそれがある児童や、家庭環境等から生活指導を要する児童を入所または通所させ、必要な指導を行って自立を支援する児童福祉施設である。退所後の児童に対しても必要な相談や援助を行う。根拠法は児童福祉法44条である。』(Wikipediaより引用)
↑を読むと「ああ、非行をする悪い子、不良達が送られる怖い所なんだな。」と思う人が殆どだと思います。
そんな児童自立支援施設。実は私、生まれてから15歳までこの施設内で生活していた経験があります。もう20年近く前のことですが。
今では少なくなりましたが、当時の児童自立支援施設は「小舎夫婦制」又は「寮長寮母制」と言って夫婦が1つの寮を持ち、入所した児童と生活を共にしながら支援していく、という形が主流でした。
現在では児童養護施設と同様、交代制で回している所の方が多いです。夫婦でこういった仕事をしていく、ということはとても覚悟の要ることですからね。時代と共に交代制へ移行していったのだと思います。
私の場合、両親が小舎夫婦制の男子寮で働いており、私もその中で生まれ、一緒に生活していた。と言うことになります。
一緒に生活、と言っても一つ屋根の下では無く、普通の一軒家(職員家族が住む所)の横に寮(入所した児童が住む所)が事務所(通路)を挟んでくっついている、という感じです。
巷でいうと、家とお店がくっついている飲食店みたいな感じですかね。お店の人は家も厨房も店内も行き来できるけど、お客様は店内だけ、厨房や家の中までは入れない。みたいな。
施設にもよりますが、私が生活していた施設は「小舎制」だったので男子寮、女子寮がそれぞれ離れた場所にあって、それぞれに入所した児童(小学生~中学生)が生活しています。年度や季節にもよりますが1つの寮に大体4人から多くても10人位だったと思います。施設内には寮の他に体育館やプール、グラウンド、食堂等の設備もあり、作業をする畑もあります。敷地面積はその辺の学校並みに広いと思います。
施設は森に囲まれていて外からはほとんど見えないので、当時遊びに来てくれた友人達はその広さに驚いていましたね。「お前んちスゲー金持ちなの??」と。
寮から歩いていける場所(そこも施設内ですが)に入所児童が通う分校もあります。分校なので普通に学校の先生がいて、本校同様に授業をしてくれます。寮で朝ご飯を食べ、準備をして学校に行き、学校が終わるとまた寮に戻る。と言った具合です。
ちなみに自分を含む「職員の子ども達」は本校に通っていました。そこは分校では無く、歩いて30分位かかる所にある本校ですね。分校は入所児童のみが通う所でした。
如何だったでしょうか。ここまででも少年院とは随分違う所だということが分かっていただけたかと思います。
小学生の時、よく友人達に聞かれたのが「怖い兄ちゃん達が沢山いて怖く無いの?」でした。
今思えば友人達も、大人達の「なんとなく聞いた情報」から「なんとなく怖い所」というイメージがついていたんでしょうね。
確かに児童自立支援施設に来る子達は児童相談所、家庭裁判所を通して来た子達。俗に言う「不良」が多かったのですが、当時小学生だった自分から見ると「運動神経がめちゃくちゃ良い、優しいお兄さん達」という印象が強かったです。
目の前でバク宙してみたり、懸垂で競ってみたり(20回位?)、野球では100キロ以上のボールを投げていたり、、、と。高校生ではなく全員中学生でしたから、今考えても凄いなと思います。
休みの自由時間を使ってサッカーに始まり野球、バドミントン、水泳も教えてもらった記憶があります。そして音楽も。小学校低学年でX、LUNASEAをよく歌っていました。年がバレますね。
殆ど思い出話で終わってしまいましたが、
次回は児童自立支援施設内での生活や、入所する児童について書いていきたいと思います。
#児童自立支援施設 #小舎夫婦制 #児童福祉施設 #児童相談所 #家庭裁判所