コーチング研修 @ 屋久島 Day1(なかよし保育園様)
なかよし保育園(屋久島)での「コーチング研修」に、「オンラインアカデミー屋久島大学」から取材に来てくれました。
レポートを書いてくださったので、ご覧ください。
2024年2月上旬、屋久島・宮之浦にある「なかよし保育園」で2日間に渡りコーチング研修会がおこなわれた。
山原先生も、なかよし保育園も、共に今回がはじめましてなのに、やり取りの中で共通の知り合いが次々と出てきて、驚きつつも確かな繋がりを感じた。
これも屋久島ではよくあること。
不思議なご縁・引き寄せのような出来事は偶然ではないことを2日間の研修を通してより認識していくことになった。
玄関先では園の先生方の優しい元気な挨拶に迎えられた。
保育園に入るのは何年ぶりだろうか。
会場に入ると先生たちが手際よくモニターや机・いすの準備をしていた。
「ああ、懐かしいこのイス!」と思わず声が出てしまった。子供たちのサイズに合わせているイスは小さくて低い。机もこじんまりとしてミニチュアのように見える。研修会ではみんなこのイスと机を使う。子供たちと同じ目線である。
ひらがなで書かれた園児たちのなまえ。さっきまで園児たちがいた気配がまだ残っている教室、優しい空気だった。ぼんやりとした幼少のときの記憶が引き出されるような感覚。
さあ、これから研修が始まります。
保育園の先生・職員の方々は通常の勤務を終えて園に再び集合。夜の9時まで疲れ知らずの熱気のある研修となりました。
みんなお揃いのユニフォーム、背中に書かれていた言葉が目に入ります。
”な"んにでもチャレンジ
"か"らだとこころをつかって
"よ"くまなび よくあそぶ
"し"ぜんのなかのなかよしっこ
この最初の文字を並べると、まさになかよし保育園の「なかよし」になるのです。
最初に皆さんの元気な挨拶と山原先生からコーチング研修の目的やグランドルールの説明がありました。
≪研修の目的≫
・結束を強め、より円滑なチームをつくること
・対話を通して自己理解を深めること
・繋がりを持って共に学び合おう
・お互いに感謝の気持ち・ありがとうを持とう
≪グランドルールとは≫
研修の場のルールのようなもの
・楽しみながら集中しよう
・安心・安全の場であること → 一歩踏み出して自分を伝えやすくなる
頷きながら確認してメモを取る先生もいて、既に楽しみながら集中しているようです。
その後に研修を行うことになった経緯についてのお話がありました。
山原先生となかよし保育園とのつながりは13年前に遡るとのこと。
当時、山原先生がプロのピアニストの方を招いてこの園でも演奏会をおこなったそう。山原先生も実はコーチングの講師だけではなく、ピアノも弾かれるのです。
「へえー」と驚きの声が上がったが、当時の演奏会に参加された先生も数人いらっしゃっいました。
山原先生の人脈の広さが今日に繋がっているのだと感じた人は多いのではないでしょうか。
<アイスブレイク①>
みんなで共通項探しゲーム。1対1で話をして共通項を1つ見つけたら次の人へ、何人と共通項を見つけられるかやってみようというゲーム。
席を立ち相手を探します。一気にしゃべり声と笑いがどっと教室に広がりました。
軽い緊張感もありつつ、共通項がすぐ見つかると一気にテンションが上がるようです。「うーん・・」と悩む姿や、「そうそう!」と元気な声で会話も弾んでいました。
制限時間の合図と共にみんな席に戻り、どんな共通項があったかを発表していきます。
”リレーの選手になったことがある”
”ピアスの数が同じ”
”出身地が同じ”
”右足から靴を履く”
”オタ活が一緒” ……
同じ職場で過ごしているので知っていることもいっぱいあるけど、新たな一面を知るきっかけになったようです。
「え~知らなかった!」なんて声が出たり、普段の仕事では出ないような話題が新鮮だったようです。
”共通項”は関係を深め、場が良くなる要素のひとつ。それぞれの発表に「うん、うん」と頷いていました。
≪アイスブレイク②≫
グループ内でそれぞれ別の人を1人ずつ紹介をしていく他己紹介のワーク。
スタートの合図で話し声が広がります。グループで相手に伝わるように自分のことを話したり、紹介者は質問をしてコミュニケーションを取っていました。
相手目線で自分のことが語られる、こんなに良いところがありますよ!と声に出してもらう機会ってなかなか無いように思いました。
自己紹介とは違い、他の人が自分のことを話すのはちょっとこそばゆい、恥ずかしいようです。お互い照れながらもそれぞれの良いところを発表していたのが印象的でした。
他者に紹介してもらうことで自分では気が付かない部分に気が付くこと。
このワークのポイントのようです。
次に、山原先生のプロフィールと自己紹介がありました。
研修会の講師は東京からいらっしゃった山原すすむ先生、愛称はすーさん。
山原先生が初めて屋久島に来たのは2002年、それから30回以上屋久島を訪れている大の屋久島フリークです。
プライベートで遊びに来ていた屋久島で交友を広め深めていき、ご縁がつながりついにお仕事で屋久島に来るまでになったのだそう。
お酒も好きなようで、屋久島の焼酎の話が出るとどっと笑いが起こります。
そして、山原先生と交友関係が長い幸代(さちよ)先生が、ここで山原先生を他己紹介することになります。
幸代先生の紹介によると、山原先生は屋久島の曲を現在レコーディング中とのこと。
自己紹介でも出たお酒のさらに深堀した話やピアニストとしての活動のこと、屋久島が大好きなことなど自己紹介になかった話題が沢山出てきました。他己紹介の間、山原先生は誰よりもモゾモゾしていました。
屋久島が大好き!その気持ちは幸代先生の言葉を通して会場全体に広がっていきました。
私たちも、みんな屋久島が好き!
そんな一体感がありました。もちろん、自分も屋久島が大好きです。
「これってみんなの共通項だ」と気が付きました。
<自己理解と他者理解>
ここからメインテーマの自己理解と他者理解について。
宿題のワークシートを使います。
自分の人生のふり返りから価値観や何を大切にしているか、
強み(得意なこと・スキル・性格)など、事前に考えてくることで自己理解が進みます。
これをもとにお互いに対話することで自己開示を行い、相互理解を図ります。
同時に仲間から見えるいいところも教えてもらうことで、自己理解がさらに深まるのです。さらに、もし改善して欲しいところなどに気付けば、そこは”伸びしろ”として相手に受け取りやすいように伝える。
このような点をワークを通して学んだところで休憩です。休憩中も話をして和やかな雰囲気です。
<職場が活性化するコーチング>
さらに、より良い関係づくりのためにコーチングのコミュニケーションを学んでいきます。
コーチングは、「相手の中にゴールがある」という考えをベースにしており、対話を通してその人に気付きを与えたり、言葉にできない感情や思い・願いなど、本当の気持ちを引き出していきます。
コーチングのスキルとして、傾聴・問いかけ(質問)・承認(共感)という3つの大きなポイントが紹介されました。
まず、傾聴とは何でしょうか?という問いかけでグループで考えるワークがあり、”聞く”と”聴く”との違いなど意見をまとめ発表しました。
意識して相手の話を聴くこと、言われてみると分かるけど普段意識しているのか?ちょっと考えてしまいました。
こうして傾聴について学んだところで、ここで実際にペアで傾聴を体験してみます。テーマは「私の好きなこと」で話をします。
実際にやってみてどうだったのでしょうか?
”しっかり聴いてもらうと、もっと話したくなるし話が盛り上がる”
という意見が出てきました。
また、ちゃんと聴いてもらえない例として、子どもたちの「ねぇ、聞いてー」と言っている気持ちに気付いてハッとしたという感想も。
傾聴をすることでお互いの理解が深まるということを改めて体感しました。
次に”問いかけ(質問)”です。
問いかけには、大きく2種類あります。
①拡大質問
②限定質問
①の例として、「そもそも、どうしてなかよし保育園で働こうと思ったのですか?」という問いがあげられていましたが、皆さん、自分なりに当時のことを思い出したり、今の感情を改めて確かめているようでした。
最後に”承認”です。
承認とは相手に共感を示し、その価値観を受け止めたり認めたりすること。
仕事では、結果だけでなくその過程もしっかりと認め合おう、というお話しがありました。
この3つを理解して、宿題のワークシートをペアになってお互い話します。
「自分の過去をふり返ってみてどうでしたか?」という質問から会話をスタートします。お互いに深い頷きから話が盛り上がり、熱量の高さを感じます。時間の合図があってもなかなか終わりません。
いったん区切りをつけて、今度はペアでフィードバックをします。聴いてもらってどうだったか、問いかけてもらってどんな気付きがあったか。お互いに話す表情が和やかになっているのがよく分かりました。
みんなで拍手をして発表に移ります。
「聴いてもらって素直に嬉しかった。」
「聴くのが苦手だと思っていたのに、教わったらしっかりできたことが嬉しかった。」
話すことも聴くことも新たな気付きのきっかけになる。みんなの感想がまた共感を呼ぶのでしょうか。話を聴いて頷く姿が多く見られました。
普段の日常では表面的な会話になりがちでも、お互いに理解し合うためにも相手に関心を持ちしっかりと心から聴く。そして互いに認め合う。
そういう意識を持つことはとても大切であるという山原先生の言葉が心に強く残りました。
最後に今日のワークの振り返りです。
共有することで又、気持ちが軽くなり、表情もイキイキしてきます。
宿題は明日の研修までに、
”いいな”と思ったことがあれば直接、相手に伝える。
そして感謝の気持ちで”ありがとう”と言うことです。
明日も元気にお会いしましょう。
【文章・写真:宮崎 聡子(オンラインアカデミー屋久島大学)】