第30話 新たな辛さの世界を知ってしまった「日清 どん兵衛 シビ辛麻辣うどん」
辛いものは大好きだ。しかしシビ辛は苦手だ。
最近よくみる『シビ辛』というコピー。この『シビれ感』は花椒(かしょう、ホアジャオ)という、山椒の仲間のスパイスだ。
以前おつまみに麻辣ピーナッツというものを買って食べたのだが、これがかなり花椒が強く、そのビリビリ感というもの、舌に電気を流されているのではないかというほどで、完全にビビってしまったのだ。
それ以後花椒の入った食べ物を食べることはあり、その麻辣ピーナッツほどの衝撃はなかったのだが、どうもそれから苦手意識が続いてる。今考えると、そこまで花椒が主張しているのはやりすぎだと思い、本来のシビ辛の味わいを求めて今回の挑戦となる。
今回のシビ辛は『どん兵衛』だ。「どん兵衛は裏切らない」そんな勝手な安心感を抱いている。そのどん兵衛ならシビ辛の味わい方を教えてくれるのではないだろうか。
ではさっそく開封する。
中には3種の小袋『かやく』『粉末スープ』『調味オイル』が入っている。かやくはそぼろと唐辛子、そして野菜はチンゲン菜のようだ。麺の上にあけるとほんのりと唐辛子の香りがする。お湯を入れて5分を待つ。
今日は当直中なのだ。仕事の昼休みにカップ麺にお湯を注ぐと電話が入ることは、しょっちゅうあることだ。そして当直中にノックされることも。そうならないようにと祈りながら5分を待つ。今日はそういった気配がない。大丈夫だろう。
ふたをあけ、粉末スープを溶かす。花椒の香りが漂い、なぜかドキドキしてきた。まずはこの段階で一口味見をしてみる。基本はどん兵衛のだしだ。それに花椒が香る。比較的ソフトな口当たりだが、個性はばっちりだ。
では調味オイルをかける。ラー油色のオイルだ。ちょいと味見をすると、花椒とは少し違うと感じた。山椒のような感じだ。そしてオイルを混ぜ込んで改めて食べてみる。先ほどよりも味が鮮明になり、コクが数段アップした。
以前食べた花椒のピーナッツに比べると口当たりはソフトで、辛さもそれほどでもない。すっきりとした味わいだ。花椒のしびれ感はあるのだが、程よいスパイス感だ。ピリピリと舌の上に残る刺激がスープの味わいと熱感を引き立たせてくれる。
もちろんどん兵衛のモチモチのうどんによく合う。シビ辛をバックで支えるだしの旨さとうどんの味わいの存在感が「さすがどん兵衛」と今回も感心した次第だ。
花椒・・・新たな辛さのワールドを知ってしまったようだ。