第51話 シンプルで硬派「寿がきや 富山ブラック」
今日は寿がきやさんから発売されている『全国麵めぐり 富山ブラックラーメン』を食べてみたい。
「富山ブラックラーメン」は、その名の通り富山県富山市発症のご当地ラーメンだ。
1955年ごろ、富山大空襲の復興事業に従事していた食べ盛りの若者のランチとして、また汗をかく肉体労働者のための塩分補給として、醤油を濃くしたスープのラーメンを作ったのがルーツであるという。
…これは困ったぞ。僕はあまり汗をかかない労働スタイルだし、塩分も気を付けないと血圧も心配しないといけない年代に入ってきている。こんな時にはチェイサー(白飯のこと。第33話に登場)だ。白飯を添えて食べることにする。そして狙いは暑い日だ。
(※実際の塩分は7.1gで他のカップめんに比べてそれほど多いわけではない。)
(※厚生労働省食事摂取基準では一日の塩分摂取量を男性8.0g、女性7.0gとしている。塩分の摂りすぎにはご注意。)
というわけで記録的に梅雨が早くあけた連日の猛暑の中の一日。満を持して食べてみたい。
さっそく開封し『かやく』『かやく入り粉末スープ』『液体スープ』の三種の小袋を取り出す。
チャーシューの入った『かやく』と、ネギとスパイスの『かやく入り粉末スープ』を麺の上にあける。その瞬間に黒コショウのスパイシーな香りが漂う。鼻を近づけると、それだけでむせてしまいそうなほどだ。
この感覚でふいに子供の頃の思い出がよみがえった。ハクション大魔王を呼び出そうと、カンちゃんが自らの鼻にコショウをふりかけるシーン、それを見て「コショウで本当にくしゃみが出るのかな」と思い、実際にやってみたのだ。その結果、出る出る!激しいくしゃみを連発してびっくりしたのを思い出した。
くしゃみが出そうで出ないつらさを感じた時に、「コショウで・・・」と思ったこともあるのだが、逆にかなり激しいくしゃみが続くので、しないほうが良い。
話は脱線したが、再び本題に戻りたい。
お湯を入れて5分を待ち、『液体スープ』を注ぐ。サラサラの真っ黒なスープが出来上がった。コショウのスパイシーな香りが食欲をそそる。
早速スープをいただいてみる。見た目通りシャープな口当たりだ。濃厚な醤油スープにコショウがよく効いている。口の中にコショウの刺激が残り、熱々のスープをさらに厚く感じさせてくれる。この刺激がたまらない。
めんは少々ほぐれにくいかもしれない。しかしそれはコシのある麺でもあるということであろう。食べるのが遅い僕にとってはむしろ利点であるかもしれない。やはりその通り、しっかりと食べ応えのあるコシのある麺だ。そして時間がたってものびた感じもしない。
なるほど、これはしっかりと汗をかいた暑い日に食べたくなる感じだ。一度汗をかいてしまうと、その後はどーっと汗をかいてしまったほうが気持ちいい。唐辛子の辛さもいいが、コショウの辛さという角度もいい。この味、シンプルで硬派な感じがして好きだな。