第15話 これはあの味では…?「冬季限定 コク塩ラーメン」
いつものスーパーで発見したのは、寿がきやさんの「冬季限定 コク塩ラーメン」である。
どうも限定というのに弱い。第8話の和歌山ラーメンのように(限定ではないが)、次に店に訪れた時にはもはや手に入らず、ああ、買っておけばよかったと後悔の念をしばらく引きずることになるのが怖く、ついつい購入。
寿がきやさんのHPには以下のように紹介されている。
東京町田にある『しおラーメン進化』さん。ネット情報では
「素材の味を生かすことを考え続けている」
「麺固め、大盛などの注文は受けていない」
とこだわりの姿勢がうかがえる。
たしかに一食を食べる分量には絶妙なバランスがあると思う。かの有名なUFOも、大盛よりも普通サイズのほうが格段にうまく思えるのも無関係ではないのではないだろうか。
とにかく味にこだわった、塩ラーメンと言えばここと言われるほど、超有名店とのこと。そう・・・田舎者には縁のない話だ。本物の味には及ばないながらも、今日も行ったつもりで味わってみたい。
そういえば辛いラーメンと言えば、味噌ベースの濃厚なものが多いイメージが多いが、この塩ラーメンの辛い味とはどんな感じであろうか。
ではさっそく開封してみる
全粒粉入りの麺はやや茶色がかっている。小袋は三種。かやく、液体スープ、後入れかやく入りスープだ。
まずはかやくを麺にあけお湯を注ぐ。このかやくは鳥そぼろと白菜のようだ。そして湯を注ぎ4分待つ。そして液体スープ、そして後入れかやく入りスープを入れる。スープからはスパイスの香りが漂ってくる。これに入っているかやくは唐辛子、ねぎ、にんにくのようだ。
さっそく一口スープをすする。口当たりはマイルドなのだが、その後のどの手前でピリリとくる辛みがある。なかなか濃厚な塩スープだ。そして麵。つるりと口に入る。「おおー!これは」と感動を覚えた。
・・・それはまだコロナ禍など想像もしなかったころの忘年会。あるゲームが始まったのだが、その罰ゲームはアヒージョに入っていた丸ごと唐辛子を食べるというものだった。運よく?ゲームに負けて罰ゲームを食らうおいしい役をいただいくことになった。辛いもの好きな僕だが、やはり辛いものは辛い。口の中の刺激に悶えながら噛んでいると、その奥のほうにうまみが湧いてくるではないか。そう唐辛子の本当のうまさを知ってしまったのだ。この辛さに耐えたものだけが味わえる、奥の深いうまみ。そう、まさにその味がこのラーメンを食べてよみがえったのである。
そしてもう一つ、特筆すべきは麺とスープの一体感だ。もはや麺とスープを別々に語ることができないほど一体化している。味はもちろん舌ざわりまで完璧に融合してしまっている。
辛さはほどほどである。辛いもの好きな僕にとっては、口の中がほんのりと熱く感じる、角がなく心地よい辛さだ。パッケージには『冬季限定』と書かれているが、これはまさに冬の寒い日にうってつけの、心から温まるおいしいラーメンだった。