第13話 スープの分厚い存在感「麺や兼虎 激辛魚介とんこつ担担麺」
今日もいつもの行きつけのドラッグストアにぶらりと寄る。また限定で販売している商品を見つけた。寿がきやさんから販売されている『麺や兼虎 激辛魚介とんこつ担担麺』だ。気が付けば赤いパッケージの辛い麺に手が伸びてしまいがち。辛ラーメンなども大好きで、あの刺激的な辛さの先に現れる何とも言えぬ旨味が後を引く。日本の激辛麺は比較的辛さがやさしく、それよりもその後の旨味が決め手であるように思う。
『麺や兼虎』さんは福岡県福岡市に数店舗を構える、つけ麺を看板メニューとしている店のようだ。『豪快で荒々しく、漢らしい一杯』がコンセプト。手間暇を惜しまずスープづくりにこだわっているとのことだ。また店舗ではボリュームのある具材が特徴とのことだが、やはりインスタントでこれは断念せざるを得ない。
HPで紹介されている店舗の様子は、ブラック・ホワイト・ブラウンで整えられたおしゃれなバー風の内装だ。我が家の生活感にあふれたダイニングのことは忘れて、今日も味わって食べてみたい。
さて、さっそく開封してみる。小袋は3種、かやく入りスープの素、液体スープ、後入れ粉末スープだ。麺は細くうっすらとグレーがかっている。かやく入りスープの素をあけ、お湯を注ぐ。すぐに鰹節の香りが立ち上り、鼻の穴を大きくしてしっかりと吸い込んでみる。
3分の待ち時間を経て混ぜると半濁の茶色いスープに具のミンチが浮かび上がる。そこに液体スープを注ぎ混ぜると、表面に鮮やかな赤いクリアのオイルの浮いた、ややトロミがかったスープが出来上がる。まずはここで一口スープをすすってみる。ビリリと刺激的な辛さが広がり、その後香ばしい旨味を残していく。
麺を一口。よくスープをつかまえ運んでくれ、パンチのある辛さを味合わせてくれる。これだけでも十分に食べ応え十分である。
さて、ここで粉末スープをかけてみる。パッケージに写っているような山盛り型にしてみる。なかなかなインパクトだ。唐辛子をはじめいろいろなスパイスは見るからに辛そうである。隣でマイルドな豚骨醤油ラーメンを食べている妻が「うわぁ・・・」とうなる。この粉末スープは溶かし込むものなのか…?正式な食べ方がよくわからないが、食べているうちに自然に溶けていくに任せ、いつものように濃淡をつけながら食べてみたい。
粉末スープをかけた後はざらっとした食感となり、黒ゴマなどの食感もあいまって食べ応えのある口当たりだ。多くのラーメンはつるりとした食感のものが多いなか、これはなかなか独特だ。辛さも強めで冬だというのに汗が噴き出してくるし、スープをすする時には気を付けないとむせてしまいそうである。さらにその辛さのバックに巨大な存在感を持った濃厚スープの味わいがある。その存在感はパッケージのカラーに象徴されるような深遠な黒がぴったりとくる。
残ったスープをどう楽しもうかと思案。そして茶碗の白ごはんを持ってくる。混ぜずに交互にいただくことにし、今日もスープまで完食するのであった。