教養日記2日目:懐疑論
『ネオ、君は夢を見ていて、これは現実に違いないと思ったことはないか? もし、その夢から目覚めることができないとしたら、どうなる? 夢の世界と現実の世界の違いが、どうやって分かるというんだ?』
映画『マトリックス』モーフィアスのセリフより
この一文で懐疑論というものが理解できた人は、相当頭の回転が早い人だろう。
わからなくても大丈夫、ゆっくりとほぐしていこう。
懐疑論とは
懐疑論をわかりやすく説明するならやっぱり例えをだすのがいい。
冒頭で話した一文にあやかって、「夢」を例えにしよう。
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『おや、三葉。あんた今、夢を見とるな?』
例えば、いま。
そう、この文章を読んでいる”いま”この瞬間。
あなたは夢の中にいるんだ。
このnoteを読んで、何かを考えた後、そのままいつもの生活に戻って、いつものように暮らす。という夢を見ているんだ。
と、言われたらどう思うだろうか。
きっと
「バカ言うなよww俺はばっちり起きてるよw」
と思うだろう。
ただ、残念ながら、それを証明する手段はないんだ。
なんなら、現実世界の君に実体がなくて、培養液に入った脳みそだけの「君」という概念が『スマホで山口顕治のnoteをスクロールして読みながら、これは夢じゃない』と思い込んでる夢をみているのかもしれないんだ。
ふふ、こんがらがってきたね。ついてこれているかい?
わからなかったら、もう一度ゆっくり読んでみるといい。
つまり、あなたの本体が実在している証明はできないんだ。
あなたが見ているこの世界が、全て夢なのかもしれない。
ゾクゾクするよね。
でも、同時に「そんなはずはない」って思っているよね。
さぁ、リアルはどっちだろう。
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あなた以外の人間が、本当に人間だろうか
もちろん、懐疑論は「論」なので、夢だけが対象ではない。
他にも『自分以外の全ての人間が、本当に自分と同じ人間だという証明ができない』というのも面白い。
何を言っているかわからない人もいるだろう。
じゃぁ、あなたの隣にいる人に聞いてみるといい「あなたは私のように感情や考えを持っていて、それに従って動いていますか?」と。
これを本当に聞いてみる人はいないだろうが、もし聞いたらこんな答えが帰ってくるだろう。
「なに言ってんの?(当たり前じゃん)」
さぁ、ここで懐疑論だ。
その「なに言ってんの?」と答えた人が、本当に感情や考えを持っている保証はあるか、確証はあるか。証明はできるのか。
そう、できないんだ。
あなた以外の人間は『こう言われたら、無数の反応の中からこう返す』
どっかの神様とやらが、そうプログラミングしただけかもしれないんだ。
だって、脳みそを切り開いて調べて見ても、感情があるかどうかなんて、本人にしかわからないでしょう?
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まとめ
このように、懐疑論は厳密に証明されていない、僕たちが「当たり前だ」と思っていることを覆すための主張だ。答えはない。哲学的な議論だとも言える。
面白いだろう?哲学っていうものは難しいと思われがちだけど、こんな風に単純に知的好奇心がわく内容なんだ。
ぜひ、個人的に深めてみて欲しい。
そして、彼女や、親友、パートナーと語り合ってみよう。
そうやって知識や、考え方の幅を広げていくのが、教養のあるべき姿だ。