新米猟師の狩猟ライフ
お久しぶりです!やまかんライターのゲンです!
昨年11月15日から今シーズンの狩猟期間に突入し、新米猟師としての狩猟生活が本格的にスタートしました。
『猟師ってどんなことをするの?どんな感じなの?』
猟師の世界って普段なかなか触れることはありませんよね。
そんなちょっと非日常な猟師の世界を実際の狩猟の様子を交えながら、一部紹介していきます!
AM8:00、いつものところで...
猟に出る日の集合時間は大体朝の8:00頃。
『猟師の朝ってめちゃくちゃ早いの?』とよく聞かれますが、
日の出前&日没後の発砲は法律で禁止されているのです!
基本的には、日が出て明るくなってからスタートします。
いつもの集合場所に集まり、火を焚いて話をしながら猟の内容を決めていきます。
実は猟を始める前のこの時間がとても重要。
一見すると雑談をしているようですが、ここ数日の山の状況や獣の動き、前回の猟ではどうだったか、など多岐にわたって必要な情報を共有していきます。そうすることで、その日の猟を確実なものにしていくのです。
Let's hunt!!!
僕が参加させていただいているチームの狩猟スタイルは「巻狩り」と呼ばれるものです。この巻狩りには大きく分けて3つの構成要素があります。
○勢子・・・猟犬を率いてコントロールし獲物を追い立てる役割。猟を統括す
る司令塔的存在。山を踏破する強靭な足腰と体力、そして瞬時な
状況判断力が必要とされる。
○タツマ・・猟犬に追い立てられ逃げてくる獲物を待ち構えて仕留める役割。
基本的には獲物に気取られないよう、じっと待っていなければな
らないため冬場の雪山ではガタガタ震えるのが相場。
○猟犬・・・鋭い嗅覚と驚異的な体力で獲物を追い立てる。人には決して真似
できない重要な役割を担っている。猟が始まると本能むき出しで
獲物を追い立てるが、普段は愛くるしくてめちゃくちゃ可愛い。
この3要素が三位一体となって密な連携を図ることで、巻狩りは成立します。
巻狩りの大まかな流れとしてはこんな感じ↓↓↓
①タツマが所定の位置にポジショニング
↓
②勢子&猟犬が山に入り獲物を追い立てる
↓
③獲物がタツマの待ち構える方向へ逃げる
↓
④待ち構えていたタツマが逃げてきた獲物を仕留める
言ってみれば詰め将棋のような感覚に近いと思います。
獣の通るルートというのは、大方決まっていて(これがいわゆるケモノ道と呼ばれるもの!)、その道の先にタツマが待ち構えているので、あとはどうやって獲物をそこまで追い詰めるのか。
とは言っても相手は自然。
いつもすんなりと獲れるわけではありません。予想外の場所から獲物が出てきたり、猟犬が追いかけている途中で巻かれてしまったりすることもあります。
だからこそざっくりと説明したこと以外にも、様々な努力や工夫、そして何より、同じチームのメンバーや猟犬同士の深い絆と信頼関係が必要不可欠になってきます。
2016年12月31日、ついに!!
そんな狩猟生活を送る中、昨年の大晦日、ついに自分の鉄砲で獲物を射止めることが出来ました!!!!
これがその時の一枚。立派な角を持った雄鹿でした!
実はこの時の猟以前に、仕留めるチャンスが巡ってきたことが3度あったのですが、いずれも鉄砲を外していました。
『下手な鉄砲数撃っても当たらんでな』が師匠の口癖で、これが真理であることを身をもって知りました。笑
そんな経験があったので、お前のところに獲物が来るぞ!という無線が入ったときは心臓バクバクでした。
見ている方向から獲物が走ってきて、撃った鉄砲が当たって仕留めた瞬間、雄叫びをあげたのを覚えています。笑
そしてその日の夜…
見事に酔いつぶれる僕がいました(笑)
その夜は師匠のお宅で年越しをご一緒させてもらい、年内ラストチャンスで訪れた歓喜の余韻に浸りました(笑)
このときの記憶が一部ないのですが、最高に幸せな年越しだったことは覚えています!
今回紹介したのは猟師の日常のごくごく一部。
猟師の世界は奥がとても深く、一度には紹介しきれません。
まだまだ経験も知識も浅いひよっこ猟師ですが、
・猟師になったからこそ体験できること、感じること
・猟師の目を通して見えてくる遠山郷の魅力
をこれから少しずつみなさんに発信していきたいなと思っています。
以上ゲンでした!