みすゞに背中を押されて
Webライター育成プログラムの課題添削をしているときや、ライターゼミのみなさんの書かれたものを読んでいるとき。
圧倒的な才能や、コツコツと積み上げている努力の大きさに、打ちのめされそうになることがある。
こんな人たちと並んで、自分が何かを書いて生きていけるなんて、とても思えなくなる。
そんなとき、ふと、金子みすゞの詩が浮かんでくる。
「わたしと小鳥とすずと」 わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。 わたしがからだをゆすっても、 きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。 すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。 (金子みすゞ 「わたしと小鳥とすずと」より)
ああ、だめだ。
泣けてくる。
なぜ大人はドラマを見たり、人と話をしたりしながら、ほんのちょっとのことで泣くのか、子どものころ不思議だった。
泣くわ。泣くよ、泣く!
いろんな思いが、いろんな記憶が、いろんな喜びが、ほんの些細なきっかけで湧き上がる。
みんなちがって、みんないい。
みすゞに背中を押されて、今日も自分の道を進む。