家具と暮らしの一体感をデザインする注文住宅の空間提案事例、間取りと同時に家具のレイアウトと空間の仕上げを考える事で暮らしをより上質に。
インテリアの要素と
暮らしの雰囲気による心地の違いを
デザインすることで
空間の質も使い勝手も変化します。
リビングテーブルの選び方も
その一つです。
リビングテーブルの導入は
いくつかの点で
見極めが重要です。
リビングテーブルは
人や家庭によって
その重要度が異なる家具のひとつです。
食事や作業を
ダイニングテーブルで行う前提がある人は、
ソファの前に配置する
アクセサリー的に考えるかもしれません。
一方、
リビングテーブルで
食事や作業を主に行う人もいます。
その場合、
リビングダイニングに
ダイニングテーブルが無いケースもあり、
そこではサイズや高さといった
スペックはより重要になってきます。
リビングテーブル自体は
リビングダイニングという空間の中で
低い場所に重心をつくり、
余白を埋めるという意味では
有能な存在です。
しかし、
サイズやレイアウトを
軽視すると「邪魔」あるいは
「有っても無くても良いもの」に
なってしまうものでもあります。
リビングテーブルは
有名なデザイナーによる名品から
無垢材の一枚板天板を
使用したものも含め
素材やデザインの選択肢も多様です。
その選択においては
いくつかの点を
しっかりと見極めて
選ぶことで
その価値も変わると言えます。
食事や作業がメインの場合と
使い勝手を良くするポイント。
リビングテーブルを選ぶにおいて、
まず「どの目的のために導入するのか」
という点の見極めは重要です。
例えばそこで
食事や作業を行うことが多いのか、
それは同時に何人か、
あるいはソファの前に置いて
軽食などを置いておくことが
メインなのか?。
場合によっては
「ソファの前にあるのが普通だから」
という理由かもしれません。
食事や作業を
複数人で行う場になるなら、
幅と奥行は
ダイニングテーブルと同じように
ある程度の大きさが無いといけません。
テーブルはいわば「場所」なので
大きい方が
心身ともにゆとりに繋がります。
しかし空間の使い勝手も
広さの認識も「それ」で変わります。
この場合、
ソファの前に配置されることが多い
テレビボードやその他の周囲の家具、
あるいは壁やドアなどとの
距離感も余裕を持ったものにしないと
回遊性が損なわれます。
ここで美しく
使い勝手の良いものになる
ポイントを挙げるとすれば
ソファのクッション部よりも
大きいサイズにしないこと、
そして「脚はなるべく中央に寄せること」です。
リビングテーブルを
ソファの前に置く場合、
テーブルとソファの間に
身体を入れて出入りします。
その時にソファより
大きいサイズのリビングテーブルだと
身体をぶつけやすくなるなど、
使い勝手に影響します。
テーブルの総幅は
ソファの肘掛けと肘掛けの間の
クッション部までの
総幅であれば
出入りにも影響しにくくなります。
また、
脚が天板の4隅に
ぴったりついているようなものは
やはり出入りに
影響する場合があります。
脚のデザインや
取付位置についても
打合せができるのであれば、
その点もふまえたものに。
このブログでも何度か書いている
家具と間取りと暮らしのバランスがあるので
僕の場合は
設計に入る際に
そういう部分も含めて
家具のコーディネートと共に
インテリアのショールームへ
ご案内させていただくようにしています。
それも含めての設計と間取りプランなので。
小さくても良い場合は
選択肢が広がるという事。
逆にそこで食事はしない、
飲食の機会はあっても
グラスや小皿を置く程度なら
サイズは小さくても
良いかと思います。
ソファの前に
リビングテーブルがあるのが
普通だから置くという場合も同様です。
この場合、
選択肢は「テーブル」と
銘打っているものでなくても
良いかもしれません。
背もたれの無いベンチは
一般的なリビングテーブルと
ほぼ高さが変わらず、
そのうえで奥行きは小さくなります。
軽食程度なら
問題ないサイズ感であることが多く、
そのことで空間の余白が生まれます。
これで空間そのものが
より軽やかに見えることや、
ソファの前、
あるいはテレビの前が広くなることで
回遊性が増す効果もあります。
もちろん、
本来は人が座るためのものですから
来客の際には
移動させても良いです。
コの字型でソファに
差し込むような
レイアウトができるものも有用です。
身体の近くに
飲食物などを
置いておくことができるので
便利なうえ、
ソファの前が開放的になります。
空間を広く見せることも、
ソファ前を小さいお子さんの
遊び場として
活用することなどの
メリットがあります。
スツールの活用なども
視野に入れると
より幅広いコーディネートが
可能になるかもしれません。
一枚板のリビングテーブルは
汎用性が高いという事。
基本的にはテーブルという家具は
天板と脚があれば成立します。
そうはいっても
インテリアですので、
やはりデザインや素材、
色合いを含めた「見た目」は重要です。
これを選んではいけない、
というものは無く、
それぞれが好みのものを
選ぶのがベストですが
大前提として
空間全体の雰囲気に
沿うものを選ぶのが良いかと思います。
ビビットカラーで目立たせる
というのもポイントになる
考え方もあります。
サイズが大きく
空間の主役級になるものなら、
そのテーブルが持っているイメージで
全体を作りあげるのも「あり」です。
また、
空間全体のテイストが決まっている、
あるいは他の家具を含めた
インテリアに差し込む
アクセント程度であれば、
全体のイメージと
乖離していないものを
選ぶことが得策です。
例外は無垢材の一枚板天板です。
人気の樹種でも
リビングテーブルとして活用しやすい、
サイズが小さいものは
価格も抑えめで取り入れやすい一方、
樹種次第では
ガラスや金物を多用した
モダンな空間の
アクセントにも
ナチュラルテイストの空間にも
ハマりやすく
お勧めしやすいものとなります。
リビングテーブル上を
「もの置き場」にしないために・・・・・。
リビングテーブルを
使用するうえで気を付けたいことは
日常における「もの置き場」と
なってしまうことです。
丁度良い場所に
丁度良い高さのスペースがあり、
普段使うものや
一度使用したものを「とりあえず」
置いてしまいがちです。
一つか二つならまだしも
様々なものが重ねておいてあるのは
単純に空間全体の
見た目の美しさを損なうだけでなく、
いざという時に
目的のものを
見つけにくくなるといった
弊害も生み出します。
リビングテーブルを
導入するにあたっては
ものを置きっぱなしにしない
という意識を高めると同時に、
その近くに
片づけを行い易い
収納家具などを
配置することもお勧めです。
例えばソファの横に
座面と同程度の
小さい収納家具があるだけでも
「そこに物を入れる」という
意識を根付かせて
空間を美しく見せるとともに、
テーブルランプなどを置いて
よりインテリア性を
高めることが可能になります。
暮らしの雰囲気を空間から
イメージする事も
設計時には大切な時間です。
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建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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