ベッキーの気持ちが少しわかる3
たのしくて、たのしくて、仕方なかった会社をやめた。
ミスが続き、会社でも役員たちからのイメージが悪くなっていき(他の社員はいつもと同じ)、友達のように接してくれた上司も「俺、上司という立場じゃなくて山口さんの友達として言うけど、たぶんやめてリセットした方がいいと思うよ。だって、ビビって書けなくなってるじゃん」。
しかも、その上司はわたしのミスのせいで給料が下がったらしい。ただ、一緒に仕事はしてなかったんだけど、お世話係になっていたから。
そこまで迷惑かけているんだし、辞めるしかなかった。
ミスをする理由はわかっていた。たぶんしょうがなかったのだ。何をするにも彼のことしか考えられなかった。おそらく30過ぎて、自分史上最高のドキドキ感を味わった。完全にジャンキーだった。
高揚感だけでなく、浮気の心配でフェイスブックばかり見て、いろいろと推測してた。悪い方向にいくと、会社のトイレで泣いていた。
寝る前も、フェイスブックのチェックをしては泣いていた。
上司の注意なんて、頭に入らなかった。親身に注意されると「なんでこの人、私のために一生懸命はなしをしてくれるんだろう」と泣いてしまうことも多々あった。上司は自分がキツい言い方をしているから、泣いたと思い困っていた。
辞める2ヶ月くらい前、だれにも辞めると言っていなかったけど、一番尊敬していた上司から「コピー、うまくなったな」とメールがきた。うれしかった。褒めても私、やめるのになとも思った。
その会社の上司は、みんな尊敬できた。転職先の会社には、彼らみたいに尊敬できる人はひとりもいない。