30代独身女子の日常<ランチ>

今日は、会社でランチミーティングが行われた。ミーティングとは名ばかりで、会社の同じ所属の人たちが会社のお金でランチをするというものだ。

しかも微妙に人数が多く、結局いつもしゃべる人たちと話すことになる。今日は、和食。注文した湯葉御膳には、山形でよく採れるという”うるい”が入っていた。少しぬるっとするが、食感がよく、くせのない味。調べてみると春を告げる野菜らしい。

うるいを目の前にした物知り上司は「前さ、土手でうるいみつけたんだよ。それでさ、次の春に採りに来ようと楽しみにしてたんだよね。でも、次の年に行くと土手ごとなくなっててさ。あーあ、せっかくうるいが採れると思ってたのにな~」と一人で自由に話していた。「ね、山口さん!東京って、うるいも自生してるけど、トリカブトだって自生してるんだよ。欲しいときは言ってね」と明るく言っていた。すると、近くの女性上司が「トリカブト殺人事件ってあったよね。若い人は知らないかな」と言っていたが、ちょうどテレビで見ていたので、「まんじゅうにトリカブト忍ばせて食べさせていたんですよね」と答えたが何も返事が返ってこなかった。

その後、植物の話から山の話を経て、スキーの話になった。50代の東北出身の女性上司が「昔は、学校でスキー教室やってたよね」と。「うち、なかったですよ!スキーなんて」と言うと、「でもさ、スキーの板ってお金かかるから、もうスキー教室ないらしいよ」と教えてくれた。どうやら、スキー用品は個人で買っていて、小学校中学年くらいから始めるから成長もあり、とにかく家庭の負担になるらしい。別の40代の女性上司は、「学校行くと自転車置き場みたいにスキー板置き場ってのがあって、冬の初めにそこにスキー板を置くのよね。鍵もなにもなかったけど。」と言っていた。

すると、うるいのことを話した物知り上司が「九州では、やんないだろうね!」と言い、「おれさ、スキー好きで、新潟にいるときは週1,2回いってたんだけど、ひさしぶりに行くと、気持ちはすべってるのに体が全然動かないんだよね~」と言い笑った。

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