見出し画像

箱根温泉を楽しんで、商標を調べた話

サービスが多すぎない、ちょうどいい温泉旅館を発見

 私は、昔ながらの温泉旅館が苦手です。
 仲居さんとの会話が煩わしいのと、食事が多くて重いのが、その理由です。
 リラックスするために行く所なのに、コミュニケーションで心をすり減らし、いつもと違う食事でお腹を疲れさせるのが、矛盾していると思います。

 一方で、温泉に浸かると、心身ともに落ち着きます。また、旅館の和室で布団を敷いて眠ることには、憧れがあります。
 サービスがちょうどいい温泉宿はないのでしょうか。
 じゃらんで探してみたところ、箱根にそういった温泉旅館があると判明しました。
 安くなる時期を狙って、予約しました。

理想的な宿でソロ温泉旅を満喫

 箱根は言わずと知れた、東京からも近い温泉郷です。

1泊した「箱根翠泉」

 今回の旅館は、箱根登山鉄道の大平台の近くにあります。

 チェックインを済ませ、館内の説明を受けます。その後は、スタッフとの会話はありません。
 また、夕食は提供されません。販売されている冷凍食品やインスタント食品を購入して、各々好きに食べることができます。
 
 温泉は、源泉かけ流しです。身体がよく温まってほぐれます。
 なお、露天風呂には屋根がありません。見上げると、背の高い木々が空を覆っています。大自然を感じられます。

和室

 和室の畳は、いい香りを放ちます。布団を敷き、い草の香りを嗅ぎながら眠れます。

 期待通り、ちょうどいい温泉旅館でした。
 コミュニケーションや食事は最低限に抑えられ、温泉と和室の醍醐味はしっかりと味わえます。
 ひとりでの温泉旅だったので、尚更その心地よさが分かりました。

「箱根強羅温泉」は商標登録されている

 ところで箱根の温泉郷のひとつ「箱根強羅温泉」は、箱根温泉旅館ホテル協同組合によって、商標登録されています(商標登録第6423535号)。
 商標の中でも特殊な、地域団体商標に当たります。

 通常、地名(箱根強羅)+サービス名(温泉)の組み合わせは、「ひとり(一社)に独占させると同業者が使えなくて困る」「そもそも誰の商標か分からない」という理由で、登録できません。
 その一方で、ご当地ブランドの保護は重要性を増しています。
 そのため、地域団体商標の制度が設けられ、一定の条件をクリアした場合は、地名+サービス名の商標の登録を認めています。

強羅駅

 「箱根強羅温泉」の指定役務(商標を使うサービスの範囲)は、「神奈川県足柄下郡箱根町強羅地区における温泉施設を有する宿泊施設の提供」と「神奈川県足柄下郡箱根町強羅地区における温泉施設を有する温泉浴場施設の提供」です。
 「温泉」をサービスとして表すと、このような表現になります。

まとめ

和室からの景色

 今回のような、サービスが多すぎない旅館は、今後増えていくと思われます。
 いいところは残しつつ、時代に合わせて変えるところは変える。大切ですね。

いいなと思ったら応援しよう!