「オ年玉は ドノクライ?」他(通常号 第40号・2003年1月3日発行)
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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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-----------------------通常号 第40号・2003年 1月 3日発行 ----
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☆今週は、低学年トラック
1975年度北海道上川郡風連町立風連中央小学校2年学年通信「りぼん」より
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★明けまして おめでとうございます。
—ゴアイサツニカエテ—
2年生も、いよいよ最後の学期。4月からは、3年生。中学年の仲間入りです。小学校は、1、2年、3、4年、5、6年と、一応3つの節で学習も生活も、程度というか、内容が質も量も上がっていきます。
私共ももちろん、お子さんの成長に順応して指導にあたりますが、お父さん、お母さん方も、3年生になる年だということを折にふれて自覚させ、日々の生活の中で 励ましのことばをかけて、1、2年のうちは、ある程度許された 甘えやわがままみたいなものから脱皮させるよう努力していただきたいと考えてます。
世相は、今年も決して明るい見通しのもてない昨今。せめて、お子さんの成長していく道だけは、私共とご両親の力で、平坦な歩みよいものにしてあげたいものです。
本年もどうぞよろしく。—<担任一同>
(1976年1月24日)
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★オ年玉は ドノクライ?
===== 2の1の例 =====
2,000〜 2人 4,000
3,000〜 1人 3,000
4,000〜 1人 4,000
5,000〜 7人 35,000
6,000〜 3人 18,000
7,000〜 7人 49,000
8,000〜 1人 8,000
9,000〜 1人 9,000
10,000〜 4人 40,000
12,000〜 1人 12,000
15,000〜 2人 30,000
20,000〜 1人 20,000
(31人)
計 232,000円+α
◎ひとり7〜8千円というのが 2年生の相場というところでしょうか。使い途をご指導下さい。
<注>「α」は 500円 700円など1,000円以下を切り捨てて合計しましたから実際は 25万円を超す金額となります。
(1976年1月24日)
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★国技
柔よく剛を制すといわれ、姿三四郎以来、世界にその力を発揮していた柔道も、ヘーシンク以来、「国技」とはいえぬまずさ。しかも重量制がしかれてからは、おもしろさが半減。柔道のもつ「よさ」はほとんど皆無となったとさえ思える。
その点で私は、「貴ノ花—高見山」の取組みなどになると体中の血がカッと熱くなるほどコーフンする。
その端整な面や、若乃花という名横綱の弟という毛並みのよさ、貴ノ花の名の通り、貴公子然としたスタイルなどはともかく、一〇〇kgから一〇五kgという軽量で、一七〇kgはあろうといわれる怪物のような高見山をぶんなげるという強さ。六○kg以上のウェートの差で対戦成績は、貴ノ花が大きくリード。
私は現在七〇kg。ムスメが二二kg。その差四八kg。今、ムスメと相撲を何十回、何百回取ろうと、わざと負けてやらぬ限り勝負にはなるまい。(大人と子供というハンデはあるが、比較しやすくするため引用)
相撲こそ「国技」、相撲こそ「プロ」と私はいつも思う。学生横綱もアマのチャンピオンも、せいぜい幕下つけ出し。幕内、三役、まして横綱となると、何年もの精進と素質が必要。文字通り裸一貫、自力本願!
プロ野球などの例では、アマチュアがプロ入りしてすぐ何勝もあげたり、最優秀○○になれる例が幾多もある。野球というスポーツの底辺の広さやチームゲームであることの、相撲との違いはあろうが、日本のプロ野球はたいしたことないともいえると思うが——。
プロ相撲に、ウェート制があったとしたら、私は貴ノ花や旭国などは、歴史に残る名横綱だろうと信ずる。しかし、どうか柔道のような「みじめ」なさまにならぬためにも、相撲だけは、封建的なまま、非科学的なまま、不合理なまま、日本的なまま、痛快なまま、続いてほしい。
(1976年1月24日)
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☆来週は、5年生トラック
1981年度北海道富良野市立鳥沼小5年学年通信「つながり」より
☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆
あけましておめでとうございます。2003年の幕開け、どちらで、どのようにお迎えですか?
昨年4月に創刊したメールマガジン「おかあさんへの手紙」は、実は1月から発行を具体的に計画していました。つまり「2年目」を迎えた訳です。これまで、何度も書いていますように、父“悟風”智が生前遺した作品を、本にまとめたいと思い、スタートしました。今のところ、2年間(来年春まで)で、作品を一通りパソコンに入力して、出版社との話し合いをきちんとしたいと考えています。今年1年間は、父の専門だった陸上競技で言えば、三段跳びの2段階目「ステップ」の年。昨年の「ホップ」を経て、来年の「ジャンプ」に向けて、力を蓄えて、さらに大きく跳びたいと思います。そのために、作品へのご感想、ご批判などを、ぜひお寄せください。よろしくお願いします。
さて、今回は、日付で分かりますように、同じ学年通信に載った作品ばかり掲載しました。北海道の小中学校は、通常1月半ばまでは冬休みで、児童・生徒は、1月には実質10日ほどしか学校に通いません。学年通信の発行が少なかったこともありますが、時期的に、面白い話題が一つの号に集まっていると感じました。
「★明けまして おめでとうございます。—ゴアイサツニカエテ—」は、「担任一同」からになっていますが、明らかに父の筆跡でした。また、この年、父は学年主任でしたから、責任者として代表して書いたのでしょう。
「★オ年玉は ドノクライ?===== 2の1の例 =====」は、父自身が担任したクラスでの調査結果です。今の子供たちと比較したいと考えました。いろいろと調べたところ、旧第一勧銀(現みずほ銀行)が1975年から、東京都内在住の小学校高学年とその母親を対象に調査していると分かりました。ところが、みずほ銀のサイト(http://www.mizuhobank.co.jp/ )を探しても、お年玉調査の項目は出てきません。ここ2、3年の相場でいうと、2万5000円前後ということです。毎年1月中旬に発表され、新聞にも掲載されることが多いようです。「1976年の北海道の2年生」と、「2003年の東京の高学年」では、単純比較は出来ないでしょうが、どのぐらい違うのか、目安にはなりますね。
「★国技」は、1行目の「ヘーシンク」で分からなくなる人もいるかもしれません。1964年の東京オリンピック柔道無差別級で金メダルを獲得したアントン・ヘーシンク(オランダ)です。
ここに出てくる力士については、日本相撲協会のサイトをご覧下さい。大横綱だった若乃花はもちろんのこと、いずれも名大関だった貴ノ花、旭国は、きちんと紹介されています。最高位が関脇で終わった高見山は、東関部屋に簡単に出ています。
・日本相撲協会
・若乃花関
・貴乃花関
・旭国関
・東関部屋(高見山関)http://www.sumo.or.jp/meikan/room/heya.php?A=24
(発行者・山口一朗)
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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「JR宗谷本線・風連駅駅名標」ヨッシー宙船さん撮影。
旧風連町(現・名寄市風連町)にあるJRの駅です。この写真は「photoAC」https://www.photo-ac.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。
■「おことわり」
☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。メールマガジンで「◆編集後記「千鳥足」◆」に載せたリンクは、いずれもリンク切れになっていましたので、現在閲覧可能なリンクに張り替えました。このうち、ヘーシンクについては、笹川ポーツ財団の記事にリンクしました。
なお、高見山については、当時のリンク先はなくなっているものの、日本相撲協会のサイトに多く取り上げられていました。下記のページをご覧ください。
※高見山関係のリンク
大相撲クイズ - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//Entertainment/quiz/1009/
高見山大五郎
大相撲クイズ - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//Entertainment/quiz/302/
高見山
しこ名展 - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//KokugikanSumoMuseumDisplay/wrap20221101/
4 高見山大五郎使用の化粧廻し
第7回 新収資料展 - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//KokugikanSumoMuseumDisplay/wrap20161025/
5 高見山大五郎(左、たかみやまだいごろう)・小錦八十吉(こにしきやそきち)の手形
第7回 新収資料展 - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//KokugikanSumoMuseumDisplay/wrap20161025/
高砂部屋所属の関脇・高見山(東関、1944~)と大関・小錦(1963~)が押した手形。兄弟弟子の二人はアメリカ・ハワイ州の出身で、幕内優勝を果たしている。
しこ名考 - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//KokugikanSumoMuseumDisplay/wrap20150217/
3 高見山大五郎化粧廻し姿 国輝画
しこ名考 - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//KokugikanSumoMuseumDisplay/wrap20150217/
高砂部屋を創設。高見山や朝潮、小錦などが部屋伝統のしこ名として今に伝わる。
大相撲 新春を寿(ことほ)ぐ - 日本相撲協会公式サイト
https://www.sumo.or.jp//KokugikanSumoMuseumDisplay/wrap20150105/
このほかに、「寿」(双葉山定次書)、「おかめと豆」(甲山信太郎画)、高見山大五郎使用の化粧廻し(だるま)など約70点を展示いたします。
(編集者・悟風のムスコ)