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「逮捕」他(通常号 第37号・2002年12月13日発行)

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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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-----------------------通常号 第37号・2002年12月13日発行 ----
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☆今週は、5年生トラック
 1981年度北海道富良野市立鳥沼小5年学年通信「つながり」より
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★逮捕

 ・毎年一回の定期健康診断で ついに逮捕(たいほ)され…
 ・胃に異常があるから精密検診を受けろといわれ…
 ・オイシイ「バリウム」を腹一杯ごちそうになり“あっちむけこっちむけ”
 ・結果 「バリウム」だけではわからぬからカメラをのめといわれ…
  石油ストーブの給油管(ゴムの太い「くだ」 お宅にも茶の間をはっているでしょう)のような太い管を ノドから突っ込まれ…
 “こんな苦しいのなら いっそ腹を切り開いて調べてほしい”と思うほど。
 ・結果 3カ所に「ただれ」有り。当分投薬を続けるといわれ…
 ・健康診断の結果…食「じ」療法を指示され
—— 食べていけないもの ——
 御飯・ラーメン・魚・肉・玉子・ハム ソーセージ かまぼこ
 野菜・果物・お菓子・納豆・ラード・漬物・酒・煙草
 塩っぱいもの 辛(から)いもの 甘いもの サイダー ジュース
 酢(す)のもの・みそ汁・海草類・おもち・赤飯……ナドナド

 ・お母さん、何か「食べて良いもの」を「教えて」ください。
   パンと牛乳と豆腐とぐらいかな。ああ! 無情!!

(1981年12月11日)

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★冬休み

 休 み 中
 学校へ来なくてもいいのだから

 ねぼうして
 テレビをみて
 食べたいものを
 食べたいときに
 食べられるだけ
 食べれば いいんだよ

 そんなことは いいんだ
 すこしぐらい。お正月もあるのだし
 学校に 来なくていいのだから

 大切なことは
 自分で決めたこと
 自分で考えたこと
 自分でやろうとしたことを

 “あとでいいや”
 “あしたでいいや”
 と、
 うしろの方に押しやって
 楽しいこと
 おもしろいことを
 先にやってしまう こと の
 おそろしさ——。

 休みなんだから
 ねむりたいだけ ねむり
 みたいだけ みて
 遊びたいだけ 遊んだらいいんだよ

 大切なことを
 ひとつだけ
 忘れなきゃ!

        “白鳥の仲間たちへ”

(1981年12月25日)

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☆来週は、6年生トラック
1982年度・富良野市立鳥沼小学校6年学年通信「つながり」より

☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。

山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆

 「★逮捕」で、食事療法について、父・“悟風”智が書いています。実際に体調が悪かったのでしょう。でも、本当に、これほどの「食べていけないもの」があったのでしょうか。また、本当に、そんな食事制限を父が守っていたのでしょうか。私には疑問です。もし、医師の指示を守っていたとしたら、とろろ昆布が大好きだった父のこと、特に海藻類が食べられなかったのは、つらかっただろうと思います。

 「★冬休み」は、学期末を迎えて、担任の児童らへのメッセージを詩にしたのでしょう。詩を学年通信に載せる時、これまでのケースでは、詩人・脚本書きとしてのペンネーム「大津哲太郎」のイニシャル「T.O」をつけていました。今回はありませんでした。

 ところで、前回の5年生トラック(第32号)に掲載した「北の国から」の登場人物「大里れい」ちゃん(横山めぐみさん)が「悟風の教え子かもしれない」という仮説の続報です。この仮説が正しいかどうか、シナリオ集「定本 北の国から Since 1981」(理論社)を購入し、確認しました。また、推理の段階で、このメールマガジンを発行するhonya.co.jpの代表編成人、廣瀬克哉さんにも、協力していただき、貴重な助言をいただきました。

 その結果、結論からいうと、「“教え子”であったと判断しても矛盾はない」と考えました。

 まず、「北の国から」主人公の「黒板純」(吉岡秀隆さん)は当初、実在しない「麓郷小の分校」に通っていました。この分校のロケ地となった公民館は、麓郷地区の中心部よりも、鳥沼地区寄りにあります。ドラマでは、この分校は、82年夏に本校に統合されました。

 次に、「'87初恋」の脚本に、大里さん宅が「近所の大きな農家」と書いてあります。「近所」となると、大里家も「分校」近くなのでしょう。ところが、れいちゃんは中学校に「越境入学」しており、放送では、(私と妹の母校である)富良野東中学校の制服を着ていました。純は同い年のれいちゃんのことを中学3年になるまで知りませんでした。つまり、れいちゃんは、純とは分校でも、本校でも机を並べたことがないことになります。

 れいちゃんが通った小学校は、どこの可能性が高いか。富良野東中の通学区域にある小学校に越境入学する場合を考えます。麓郷地区に近いのは、地理的にいうと、(妹の母校である)富良野市立扇山小学校か、悟風が勤務した鳥沼小だけです。このうち、麓郷地区から鳥沼小に行くならば、山というか、峠を一つ越える程度で着きます。扇山小へは、富良野市内では交通量の多い場所を通らないと、通えません。また、鳥沼地区を通過しないと、扇山の通学区域に行くのは難しいと思います。特に冬道では、誰かが車で送迎しないと、小学生には通えないと考えます。

 以上から、「れいちゃんは鳥沼小に通学していた」という結論を出しました。

 第32号に書いたように、れいちゃんは85年春の小学校卒業。また、山口智教諭が鳥沼小から中富良野町立中富良野小学校に転出したのも、同年3月でした。(架空ですが)れいちゃんが鳥沼小を卒業した直後、その学校に実際に勤務していた父が転出したことになります。

 相手はドラマの中のことですから、想像するしかありません。脚本を書いた倉本聰さんに聞けば、「れいちゃんが通ったのは、鳥沼じゃないよ」と言うかもしれません。でも、この想像は、なかなか面白いものでした。読者の皆さんにも、鳥沼のイメージがなんとなく伝わったかもしれません。

(発行者・山口一朗)

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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
        yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
 ※楽天広場内の「悟風の書斎」 http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/
は、「ホームページコンテストin ASAHIKAWA 2002」
http://venture.arc-net.co.jp/hpcon2/index.html に参加しています。
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トップの画像は、「鳥沼公園」makieniさん撮影。
鳥沼小学校に近い公園で、この写真は「photoAChttps://www.photo-ac.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。

■「おことわり」

 ☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
(編集者・悟風のムスコ)

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