「悟風の俳句(11 月)」(通常号 第34号・2002年11月22日発行)
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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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-----------------------通常号 第34号・2002年11月22日発行 ----
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☆今週は、11月第4週。11月の俳句を掲載します。
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(96年十一月) 山口悟風
大雪の峰きらきらと秋暮るる
晩秋も病床にあり閏年
岐登牛の肌うつろいて秋の果
稲を刈る農婦白き歯今日見せず
年毎に心に深く時雨かな
霊園の墓石のうねり秋高し
鶏小屋の鶏ざわついて狐去る
ふわふわの耳かけ偲ぶミニ兔
若き日の勢子の想い出白兎
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(97年十一月) 山口悟風
東岳師逝きし社務所の小春かな
追悼の句会となりし小六月
小春日や手竹の蔓を扱ぎ取る
ちひろの絵真似て霜月独り居る
コスモスやジョギングの子ら駆けぬけて
丈高き紫苑旅立つ神の下
あたたかき光の峯や神無月
師の逝きし社の木立神無月
澄み渡る空知路走る神無月
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☆来週は、11月第5週。筆者・山口“悟風”智が遺した作品のうち、教育エッセイと俳句以外の作品について、書きます。
☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆
今週は、連休を利用して、北海道に帰省しました。私が普段、使えるパソコンは、自宅にあるデスクトップだけです。小旅行では持ち運べないので、妹のIBMシンクパッドを借りて編集しました。キーボードが普段のものに比べてずっと小さく、苦労しながら打ちました。
11月の句は、秋から冬にかけての、いろいろな作品がありました。先月、“解読”に悩んだ「ぼう」(呉音)または「ふう」(漢音)=「三」に「丿」を重ねて書くという字=ほどではないですが、今回も、父“悟風”智の書いた字がいくつか、すぐには読めませんでした。そこで、兄妹一緒でに父の字を読み解いた結果が、上のそれぞれの句です。
最初に出てくる「大雪」は、「北海道の屋根」と呼ばれる大雪山系(旭岳を中心とした大雪山連峰)のことで、「たいせつ」と読みます。地図やラジオ・テレビの放送などでは、「だいせつ」と読むことが多いようです。国立公園としての名前も「だいせつ」です(参考サイト→大雪山国立公園連絡協議会、 http://www.daisetsuzan.or.jp/ ) 。しかし、私が知る限り、地元の旭川市周辺で、「大雪山」を「だいせつざん」や「だいせつさん」と読んだり、読む人は、ほとんどいません。私が卒業した北海道旭川東高等学校の校歌にも「大雪遙かに夢かとかすむ」というくだりがあり、もちろん「たいせつはるかに」と歌います。ですから、私は「た」派で、「だいせつ」という読み方には、強い違和感があります。
「岐登牛」は「キトウシ」。これまでも何度かこのメールマガジンに名前が出ていますが、父が晩年過ごした上川郡東川町の自宅すぐそばにある山です。
字が読みにくく、困ったのが「小春日や手竹の蔓を扱ぎ取る」と「丈高き紫苑旅立つ神の下」の2作品でした。父が句を残した日記帳を読むと、小春日の句では、確かに手へんの「扱」が書いてあります。でも、さんずいの「汲」と解釈し、「(たくさんある蔓を)汲(くむ)ぎ取る」と解釈した方が素直かもしれません。また、丈高きの句は、字をそのまま読むと「神のV」のように書いてあります。私は、2〜3メートル伸びるという紫苑の丈が、「神様のところまで伸びているように見える」と考えた、スケールの大きな句だと思います。
(発行者・山口一朗)
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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「北海道の地図 市町村名入り」PJさん作成。
旧「風連町」は「平成の大合併」で、名寄市の南半分のあたりになりました。この地図は「イラストAC」https://www.ac-illust.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。
■「おことわり」
☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
このメールマガジンに載っている「岐登牛」(キトウシ)は、「おかあさんへの手紙 特別号」のトップ画像に使っている写真に写っているところです。こちらにも、掲載しておきます。
なお、この画像「キトウシ山」(RelativeWorksさん撮影)は、「photoAC」https://www.photo-ac.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。(編集者・悟風のムスコ)