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「悟風の俳句(10 月)」(通常号 第30号・2002年10月25日発行)
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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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-----------------------通常号 第30号・2002年10月25日発行 ----
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☆今週は、10月第4週。10月の俳句を掲載します。
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(96年十月) 山口悟風
真東に昇る 月夜や 乱れ菊
晩菊を手折る妻の背 丸く見ゆ
夕映えに溢れてゆれる霜見草
展望の城 澄み冴えて今月の月
菊の香に誘われしごと 昇り月
月と菊 老いゆく身にも夢残し
生みたての卵買う道 木の実降る
新しき命いとおし木の実雨
木の実拾う吾に手を振り選挙カー
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(97年十月) 山口悟風
星月夜 兼業農家 多き町
若き日のとある想いや星月夜
逝きて知るその人となり星月夜
挨拶の 明るきナース 秋涼し
妻留守の夕餉支度の南瓜切る
身籠りし娘に菜園の豆を選る
●枯るる野のいや広き夕日かな
余生とはいつからのこと●枯るる
心の奥 その奥も又 ●枯れて
※発行者注…●は、「三」に「丿」を重ねて書く「ぼう」(呉音)、「ふう」(漢音)という字とみられる。同じ部首の漢字としては「邦」「彗」などがある。
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☆来週は、低学年トラック
1975年度北海道上川郡風連町立風連中央小学校2年学年通信「りぼん」より
☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆
まずは、「●」について、説明しましょう。なぜ、注のように解釈したか。
父“悟風”智が使っていた「10年日記 1995—2004」を読むと、手書きで「邦」の左側のような字(「ぼう」)が書いてあります。父の字は見慣れているはずなのですが、判読できませんでした。「枯れる」意味の言葉が続いていますから、●は、「芝」「木」「山」などの字が当てはまるのではないかと考えました。しかし、どれも手書きの字とは、似ていません。
そこで、手元にある「新明解 漢和辞典」(三省堂)を引いてみました。私が高校時代から使っているものなので、かなり古いのですが、漢字を調べる分には、これで十分でしょう。
手書きの文字に形が似ている漢字としては、手、毛、斗、王、市、五、耒、来、羊などがあります。
しかし、いずれも意味が通じません。ただ一つ、「ぼう」の意味は、「一、おし出しがよい。顔がふっくらとりっぱで、堂々としていること」「二、草がしげるさま」と書いてあります。これならば、●が入る3句とも、意味が通じると感じ、そう判断しました。
ここまで来て、問題が発生しました。というのは、「ぼう」をこのメルマガに載せられないのです。実は、私が使っているパソコンでは、「ぼう」が書けます。しかし、機種依存文字なのです。その字をメルマガに載せて発行すると、文字が一部が化けるか、メルマガ全体が、「化け字」の嵐になる恐れがありました。そこで、上のように、「『三』に『丿』を重ねて書く『ぼう』(呉音)、『ふう』(漢音)」と書き、よりよく分かっていただくために「『邦』の左側」という表現を使いました。
「展望の城」とは、父が晩年暮らした家の近所にある展望用の「城」です。家は、北海道旭川市の東隣にある上川郡東川町にあります。キャンモア(旧キトウシ)というスキー場があり、その山の南側にある丘の中腹に、城の形をした展望台があるのです。この句でも、下五が「今月の月」か、「今日の月」か迷いました。筆跡から「今月の月」だろうと判断しました。
(発行者・山口一朗)
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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「北海道の地図 市町村名入り」PJさん作成。
旧「風連町」は「平成の大合併」で、名寄市の南半分のあたりになりました。この地図は「イラストAC」https://www.ac-illust.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。
■「おことわり」
☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
●<「三」に「丿」を重ねて書く「ぼう」(呉音)、「ふう」(漢音)という字>「丰」です。22年たって、このnoteでは、表示できました。(編集者・悟風のムスコ)