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採用をする時に必ず考えて欲しいこと

すっかりこのnoteが採用インフラ工務店であることを忘れていたので、久々になるが採用について書いてみる。今日のお題は「採用の目的」です。

そもそも採用にはどんな目的があるか、普通に考えても面白くないので、深い意味もなく一旦ジョブ理論をベースに考えてみます。(半分趣味です)

ジョブ理論とは? (知っている人はここは飛ばして)

ジョブ理論において、重要なことはこうだ。

「片づけるべき仕事(ジョブ)のためにAを雇用(ハイア)する」

ジョブ理論で大事なことは「ジョブ」をどう考えるかで、Aが変わってくる点にあると思う。誤解なきよう、もう一度ちゃんと書く。ここ間違えちゃそもそもダメよーって話なので。

ジョブ = 片づけるべき仕事

ジョブ=仕事じゃなくて、片づけるべき仕事だからお間違いなく。。
※詳しく知りたい方は本読んでね

わかりやすい例(同じ例)がジョブ理論イノベーションオブライフに書いてある。作者一緒だしねw ご存知の方も多いと思うがミルクシェイクの例ね。

あるファスト・フードチェーンで「どうすればもっとミルクシェイクが売れるのか」を考えるプロジェクトがあった。

調査の段階で顧客にした質問は「どんな点を改造すれば、もっとミルクシェイクを買いたくなりますか?値段を安く?量を多く?それともチョコレートを濃く?」
この調査結果を元に新たなミルクシェイクを開発し、何度か試してみたが売上は全く増えなかった。

そこで調査手法を変えた。切り口は「来店客の生活に起きたどんなジョブ(用事・仕事)が、彼らを店に向かわせ、ミルクシェイクを”雇用”させたのか」。
この観点でミルクシェイクが売れる来店時間やお客様の服装、他のものも買ったか、eat inかtake outかなどを観察した。観察してわかったことは、午前9時前にひとりでやってきた客に売れることが驚くほど多かったことだ。ミルクシェイクの単品買い、take out、車で走りさっていく傾向にあった。
さらに「どういう目的(ジョブ)で買ったのか?」と質問をした。答えは「仕事先まで、長く退屈な運転をしなければならない」だった。通勤時間が長いので暇を紛らわせるものが欲しい。まだお腹は空いていない。細いストローで長い時間かけて飲み、朝食と昼食の間のふいに感じる空腹をかわすにミルクシェイクは十分な量がある。バナナじゃすぐ食べ終わる。ドーナツだとくずが落ちる。コーヒーはあっさりしすぎ。スニッカーズは甘すぎる。「長く退屈な運転」を少しでも退屈ではないものにしてくれるにはミルクシェイクが最適だったのだ。

ミルクシェイクを
・「美味しい飲み物」とみなすのか、
・「退屈な通勤時間をなるべく長く埋めてくれ、かつ小腹を満たしてくれるもの」とみなすのか
によって、競合の設定や改善の方法などは道筋は全く異なる。この考え方の違いを与えてくれるのがジョブ理論のいいところだ。

採用の目的は大きく分けて3パターン

さあ、話を全力で戻そう。
結局、僕は何が言いたかったのかというと、今回のお題でもある「採用の目的」をどう設定するかが採用活動を行う上でとても大事だと言いたいのだ。

採用には様々な理由(背景)がある。
とりあえず最近聞いたものを書き出してみる。

・営業アシスタントが辞めちゃった
・若手営業が辞めちゃった
・システム増強のためにエンジニアが欲しい
・新規ビジネスのためにAIエンジニアが欲しい
・海外進出のための海外営業が欲しい
・世代交代に備え、次世代幹部候補が欲しい

ふむふむ。

現場でよくいわれる採用の目的は大きく2つある。1つは欠員補充(リプレイス含む)、もう1つは増員だ。まず採用の目的は2種類に別れる。

欠員補充の場合、やって欲しい仕事は明確だ。なんせ欠員の「穴埋め」だからだ。なので、この場合のニーズを「既存の能力の補填」とする。

さて次。
増員にはこれまた2種類ある。
・0→1の採用 と
・10→11の採用 だ。
前者は格好良く言うと、外部から新たなケイパビリティ(能力)を調達する意味。新しいことを始めるときによくあるニーズだ。後者はいわゆる増員で、人手が足りないので人を増やす・強化する、つまり能力の増強である。

まとめると採用の目的は以下の3パターンとなる

1、既存の能力の補填
2、新しい能力を獲得
3、既存の能力の増強

採用の目的とジョブ理論をまぜてみた

さあ、ここからジョブ理論しましょう!笑
考えやすくするために、例を足してみましょう

1、既存の能力の補填・・営業アシスタントが辞めた
2、新しい能力を獲得・・新規ビジネスのためのAI人材が欲しい
3、既存の能力の増強・・システム増強のためにエンジニアが欲しい

さあ、ジョブ理論するよー。

既存の能力の補填・・営業アシスタントが辞めた

営業アシスタントがやっている仕事が受注伝票の整理やアポイントの調整だとする。この求人募集をかけるときに人事や社長がどんな風にジョブを考えるといいのか。これが問題。

1、書類の整理やメールがしっかり書ける。協調性を大事にして、正確かつスピード感を持ってタスク処理をする

2、営業がよりコア業務(提案や商談)に集中できるようサポートする

僕のnote、基本的に長いので早めに答え書きますw
これなんですが、求人票に書くのであれば「1」が正解だと思うのです。誰が見てもあんまり間違わないし、わかりやすい。これを転職エージェントに伝えるのであれば「2」がほぼ正解だと思います。補足説明として「1」の内容って感じかな。んで、本人(応募者)に仕事内容を説明するには「2が正解」。まとめると以下のようになります。

求人票、求人広告に書く・・・1が正解
転職エージェントに説明・・・2が正解、補足情報で1
本人(応募者)に説明・・・2が正解

もちろんケースバイケースの部分もあると思うので、「正解」って言い過ぎかもしれないのですが、少なくとも「2」をめちゃめちゃ意識して欲しいのです。でないと、もし「年末の総会の準備手伝って」って言った時に「なんで私が?」みたいなことになっちゃうのです。
これは営アシが悪いのではなく、管理者側が悪いのでご注意いただきたいです。

さあ次。

新しい能力を獲得・・新規ビジネスのためのAI人材が欲しい

同じことを考えます。この求人募集をかけるときに人事や社長がどんな風にジョブを考えるといいのか。

1、AI、機械学習エンジニアとしてデータ分析基盤の開発や自然言語処理による広告配信最適化システムの開発などをお任せしたい

2、新規ビジネスを成功させたい

これは相当悩ましい。なぜかというと背景の情報がないから。(←自分で書いたのに)
ということで、仮定して答えます。まず能力って言っているくらいだから「AI」をある程度は知っていることは大前提として必要なんでしょう。で、そもそも解決したい課題がなんなのかってのが一番重要で、その「頭」が欲しいのか、実装する「手足」が欲しいのかで求人要件は大きく変わってくる。

ここで、もうすでにこんな感じのことやりたいって決まっていたとしましょう(これが仮定)。そうすると上に書いた「手足」の募集になります。
では、正解は??

正解は、さっきのように何用?ってので異なります。
まとめるとこんな感じ。

求人票、求人広告に書く・・・1がほぼ正解
転職エージェントに説明・・・1がほぼ正解
本人(応募者)に説明・・・1がほぼ正解

汚いよね、大人って。なんだよ「ほぼ」って。。。笑
そう、何が言いたいのかというと、準備した2つの回答はすっかり抜け落ちていることがあるのが。それは「開発したサービスが顧客のどんなジョブにおいて雇用されるのか?」だ。

広告配信最適化システムは。顧客のROIを向上させ、きっとマンパワーを低減してくれる。そうなると1だけじゃ目的が抜け落ちていて、なんか物足りないことに気づきますよね。そして2の回答はざっくりしすぎなんでNG。

最後!

既存の能力の増強・・システム増強のためにエンジニアが欲しい

長すぎるのでささっと書く。
何のシステムなのかっていうので書き方変わるけど、サービス側のシステムだとした場合に、「うちのサービス調子いいっす。システムの調子には不安あるけど」って感じだと思うのです。んで、同様に目的によって言い方が変わる。表向きに出す場合には「サービス好調に伴い増員。エンジニア募集」みたいな感じでいいと思う。わかりやすいし。

だけど本人むけの説明する時には「うちの会社は顧客の◯◯を解決している。△△さんにはその中で当面は今回の募集要項のサービスを担当してもらうけど、ゆくゆくはこんなことも一緒にやりたい」みたいな説明がいいかなーって思う。

さあ、1つ目の採用の目的に戻りますよ

1の営業アシスタントの募集だけ、ちょっと毛色が違うことに気づきました?それは欠員募集だからという意味ではないです。営業アシスタントの募集だからです。
営業アシスタントのジョブが解決するのは営業の課題だったのです。他の2つはいわゆる「お客様(企業)」の課題。これが大きく違う点でした。

なので、求人票を書いたりする時にはジョブが解決するのは、最終的に「誰の課題なのか」ってのにも注意して欲しいです。

採用をする時に必ず考えておいて欲しいこと

まとめます。
視座をぐぐっと引き上げて、「自分たち(組織や事業)が世の中にどんな影響を与える(与えたい)のか」ってのが採用の出発点だと思う。それはミッションとも言います。

採用の目的は「採用する」というアクションではなく、「解決したい課題」をなんとかするためです。そう考えると、スキル重視、短期的課題解決に重きをおく採用活動が増えます。その時に一度だけ考えて欲しいのです。「採用の真の目的」について。これを伝えるために今回はジョブ理論使ってみました。相当遠回りしましたが。笑

エンゲージメントを高めたい、ESを向上させたい、中長期で成長したい、そんなことを考えている方にはぜひ「採用の真の目的」について考え、ぜひ候補者あるいは社員に伝えて欲しい。

あなたの仕事は「誰の」、「どんな課題」を解決するのに役立ちますか

良い本なので、採用に関する人はぜひジョブ理論読んでみてくださいませー。


※そろそろ採用インフラ工務店では新しいお客様を募集します。
※追って告知します(たぶん4月までに間に合うはず)



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