短歌81
死んでいる世界線のあたしを悼むそれは必要なことだから
つぎはぎのボーカルの高音抱いて本当はどんな世界があるの?
やるせない話ばかりで月を見る月にはやるせないとかはないけど
霜柱 言い訳が出来なくなると会えなくなるが同義の春に
その人のハンドクリームの匂いにまで焦がれるならば、永久凍土
今はないファミレス改装したファミレスそういう記憶だらけだよ、今
処方薬に救ってもらえてる今でもあなたのことを背骨と思う
雨っぽく雪解けの水 心から心を向けたことあんまない
終点に先に着いてしまったみたい振り返ってそれだけを伝えた
同じ児童書を繰り返し読んでいた頃が幸せだったと思わない?
自家製の絶望たくさん持って行くねわたしたちの急なピクニック
恋も友情も部活も諦めないダイレクトメールの百合漫画
ホワイトペタル誰かが読んでくれるならそれは生きていていいのかも
知った日のあなたの歳に近づいて僕への極力軽めのブーケ
二重爪やっと離れていけるのに美味しい店を教えないでよ
ライティング帰ってこない時間だけ照らしてあとは影になるほど
つらそうな物語のことつらそうのかわりに面白そうだって言う
チョコチップクッキーも私のことを好きでいてくれたら嬉しいな