短歌95
ボーカルのありがとう~!をアーカイブ配信で繰り返し繰り返す
ライブでも初めてと思うアレンジの違和感がとびきり愛らしい
保健室のこといつまでも比喩として登場させる 少し冬が来る
したことはなくても予測変換に保健室登校 好きな花瓶
買った時もう欠けていた器みたい君はゆっくり大人になって
夕暮れに取り残されたことがあるだからまだ隕石を知らない
飴玉の破片で誰もを傷つけていたから制服は着られない
いなかったライブの知らない人たちの歓声、あした、終末を見る
川の街の川をなぞっていく電車わたしがあなたに言えたいくつか
水運に支えられてる生活があっていずれもわたしたちじゃない
名前のない橋なんて実はないんだよあってほしいのにね みずかがみ
いずれ海へ行くことをさだめのようにかかとの脱げるローファーで言う
きぼう きほう 心のふちへふれるとき形がなくて戸惑っていた
水筒にうすい緑茶を入れていくこういう血液で愛したい
天国はオートメーション化されている?知らないことをさくさく告げる
白地図の上位互換は白い紙、どこにもいけないって気づいちゃったね
暖を取ることもそうだと言うのなら誰もが詩作に励む真夜中
飼育下で人は何年生きるでしょう?水面に浮かばせている草や葉
ねえ、君のミルクやレモンやお砂糖にわたしがなるから、なれるから