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短歌81~90

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#tanka

短歌86

短歌86

お昼ごはんベンチで食べたりもういないバンドの曲を聴いちゃう季節

岩のぼこぼこに桜蕊 あたしがあなたのためのあたしだったこと

鮮魚、ひかり、真空パック、頬の傷、かなしくなる曲を聴きあって

人のことすぐ大切に思う癖 ビル風にさくら巻き上げられて

コンバースの空き箱ずっととってある人魚に戻れば履けないから

聞いてないよーって雨が多いよぱんぱんのエコバッグ提げて行く春の道

花筏あなたにしたかっ

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短歌85

短歌85

春うらら病院ビルの歯科医院で前の患者が褒められている

求めたい誰かがいない香料のベリーがわたしへと住み着いて

カモミールぱちんと世界が終わったら世界外生命の追悼

白昼夢・早く葉桜になりたくて張り切っている老若男女

朝に弱い天使が朝に弱いことを考慮してくれる週の神様

予報とは打って変わった晴天を受けて急遽行く遠い公園

切り花を抱えた人とやけに会う春の夕日の駅への道で

あの頃のJ-POP

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短歌84

短歌84

数輪の夜桜のこと気づきたいいろんなくすりを飲んで眠った

桜蕊 髪の長いわたしのままでまだ待っていたいから見つけてよ

外を見ようとずっとドア際に立ってたけど夕日が射してきて眩しくなった

嫌いだった乗り換えの駅があなたの住む街の駅になって 夕景

オレンジピール記憶がいつか磨耗していくことの確かさは面白いね

公共の花壇に造花が植わってるもうすぐ高層ビルの建つ街

また来たいほど店はない一駅と一

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