マガジンのカバー画像

短歌91~100

10
運営しているクリエイター

#短歌

短歌100

短歌100

駆け抜けた場所から野原になっていく 春を不本意な比喩にさせない

音楽や毛布やコンビニスイーツを僕は笑顔にできるだろうか

上空でコンソメスープ啜るとき平和って容易そうなのにね

屑であり星でもあった人といた季節 あたしのすばらしい汚点

ねぇコラショわたしの内部告発でようやく長い夜が明けるよ

枯れたから本当に言葉は葉っぱだったこともう誰も言えない

木漏れ日のようにあなたを守りたい法が二人を赦

もっとみる
短歌99

短歌99

劇中のわたしが見ないようにした事実のことも抱き締めてよ

会いたいね知らない人の夜逃げには知らない理由があったりしたね

そうですね想像力のない人を想像することは怖いです

じゃあもうあたし自身がインターネットになるから笑ってくれる?

偽物のプラネタリウムの嘘の星 ぼくたちはただ安住したい

リノリウム、プラネタリウム、アクアリウムきみは末路まで美しい

それぞれがそれぞれの綿を押し込んでいる吊

もっとみる
短歌94

短歌94

生きていかなくちゃいけないって本当?嘘みたいな色の嘘の月

小さな椅子、可愛い椅子を諦めて、酩酊、きっと遠くへ行くよ

ごみ捨て場の揺りかごゆれる然るべき馬車が来るのをずっと待ってる

once more そして拍手を聴き終えてあなたの側で孵りたかった

すーとはー繰り返しながらどこでもない場所に来たことだけが分かるよ

生きていくわたしたちは基本的に怠惰であって、そういう光

指切りをしたことだ

もっとみる