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短歌91~100

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2024年12月の記事一覧

短歌97

短歌97

もうだめな夜にも遠回りをすれば寄れる本屋が聖性をもつ

信じられたいとは別に思わないラーメン屋のものすごい行列

お姉さんの思想のポスターがない頃の店内をいつか忘れていく

駅前の市場の瑪瑙お互いに思い出さない友達でいる

熱の日にだけ触れられる球体の(触れたくはない)滑らかな白

あの木まで走りさえすれば遅刻しない朝をことさらゆっくりとゆく

制服で呆けた屋上庭園はあるけれどもう制服でない

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