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隔たってなかったね〜っ!


東京03 第21回単独公演

『ヤな塩梅』

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観てきました。


劇場に足を運んだのは何日振り、
いや何ヶ月振りだったんだろう。

こんなに間が開くことになるなんて。
年始には思ってもみなかった。

しかも国立劇場。お久しぶりです。

その重厚な門構えに圧倒されながら、
ふかふかのカーペットを歩き中劇場へ。


筆者、お笑いライブに行くのは初めてで。

お久しぶり高揚と初体験の緊張、
いろんな感情がないまぜになった
フワフワした気持ちの中、自分の席へ。

2階席の上寄りでした。
1席ずつ間の空いた“ディスタンス”をしっかり保ちながらの鑑賞。
待てど暮らせど密にならない1階を繁々と眺めました。改めて大変な状況であり、その中での公演なんだと痛感。


とにもかくにも

面白かった!!!!!!


お笑いライブがどれほどのネタバレが許容されるのか全くの未知数なので、この一言に纏めます。

いや語彙力の問題ももちろんあるんだけど、
最高に楽しい2時間をたくさんの人と共有できました。
共有。素敵。
密になってなんぼの観劇。が趣味な人は、
地獄のような上半期でしたよね。
よく生き抜いたと思います。私も、君も。


演劇も、もちろんコントも、
やはり生に限りますね。
上演演芸はやはりナマモノ。

箱があって壇上があって演者がいて
それを支える諸々の舞台装置、
そして客席に座る観客。

声を出して、手を叩いて、
時には地団駄を踏んで笑いました。

溜まりに溜まったものを発散しました。

自粛生活中、
たくさんの演劇作品を映像で観ました。
それでも有り余る時間を更に持て余して、
ついに手を出したお笑いライブという自分自身の新境地。未知の世界。


そんな中でも1番心を奪われたのが東京03さんでした。

何も考えずに観れる。
いや、いい意味で。

たくさん考えてたり無理に意図を受け取ろうとしたりせず、解釈を必要とされることなく観れる。
東京03さんのコントももちろんそういう見方で楽しむ方法ももありますが、ただただ単純に笑っていられた。私はね。

それがお笑いビギナーで、
ストレスフルな引きこもり生活中の筆者には
滅茶苦茶ありがたかったのです。

面白い。
何回見ても面白い。
どれを見ても面白い。

たまに体力がないと見返せない作品ってあるじゃないですか?ね?

舞台にしろ映画にしろドラマにしろアニメにしろ、
笑いを軸にしたコントや漫才も然り。

心の余裕のバロメーターになったりもするから、そういう勇気のいる作品も必要ですけど。
でもここ2.3ヶ月は全く見れず。
どんな大好きな作品でも再生ボタンを押せず。
(筆者の場合は第三舞台の"朝日のような〜")

東京03さんはそんな生活のBGMと化してくれました。

過去作品は殆ど見ました。
CS放送に始まり、ネット配信、
挙句には円盤購入まで踏み切りました。
一刻も早く見たくて、即日配達ボタンをを連打。
宅配便さん、その節はどうもありがとう。
あの時助けてもらった即日希望人間です。

公式YouTubeチャンネルにどれだけ救われたことか。https://www.youtube.com/channel/UConIcs8o0z5vYTamGtq-Lsw


リモート単独公演『隔たってるね。』 の開催。
にわかの筆者ですら小躍りしちゃったんですから、毎年公演を生きがいにしてらっしゃる方たちにとっては狂喜乱舞自室でスタオベだったことでしょう。

便利な世の中です。
文明の利器。
YouTubeのない時代にコロナ流行ってたらと考えるだけで泣いちゃう。
あってもこんなギリギリなんだからね。


そんななくてはならない存在になっていた
東京03の単独ライブ映像。

悶々とした生活に彩りを加えてくれて支えてもらったのはもちろん事実ですが…

やっぱ生は違ぇな!!!!!!


マイクを通したとはいえ角田さんの声量半端ないし、
豊本さんの表情の変化は緻密だし、
コント中笑っちゃう飯塚さんを生で見れたことには感無量。

舞台上では大いにふざけるコント師がいて、
それを観て涙目になりながら笑う自分がいて、
一緒に笑う誰かがこんなにもたくさんいる。

ポツポツとした空席の違和感がやはり拭えず、
「大丈夫?私ちゃんと笑える?」 とか
「やりにくいんだろうなぁこの状況じゃ」とか
雑念ばかりの開演前。


でもいざコント開始の第一声が聞こえれば

『大丈夫〜!!!!』

てなもんで。

心のゴングは鳴り響きました。

素人の心配なんてどこ吹く風ですよね。
大変失礼なことをしました。申し訳ない。

2席隣の方の笑い声も左右からよく聞こえて、
それがまた嬉しくなってつられて笑っちゃったりなんかして。
同じとこで吹き出そうものならもう運命なんか感じちゃって。
あの一体感は劇場ならでは、ですわな。

自分の部屋のソファの上では、一生見つけられなかった笑いもあるんだなと。




そして、
笑いの渦に包まれている劇場に自分も含まれているという幸福感を久々に全身で浴びました。

でも座席に対して半分だけの観客数。
マスク着用必須に、舞台から2列めまではフェイスシールドが配布されている窮屈な状態。

そんな中でもこんなに笑い声が響くのか。
だったらマスク無しの満員が揃っていたらどうなっちゃうんだ、と真剣に考えました。
初台駅が揺れに揺れて、なんなら参宮橋駅まで振動伝わるんじゃないかって。いや真剣に。


はやくその日に立ち会いたいと切に願う…と共に、

自粛期間があったからこそ出会えた
お笑いライブという素敵なコンテンツ。

コロナ収束とはまだまだ言い切れないけど、
自粛明け1発目が東京03さんで本当に良かったと思える公演でした。

左右に人がいないことは結構快適。
だって荷物が置けるから。
肘掛の争奪戦も不戦勝だし。平和。
前の席も空いてる千鳥配列で視界良好。

それでもやっぱり、ちょっと寂しかったかな。

密ってすごい楽しいですよね。
大人になってもあの団体行動している感じ、
その非日常感含めて劇場の醍醐味なんだなと。


あとねあとね、2階席結構好きなんですよ。
今回のような1000人キャパなら肉眼でも充分楽しめますし、なにより全体を視野に入れられる。
どこに焦点を当てて注目して見るか自分次第。

あと暗転中の蓄光が星空みたいで。
…急にロマンチック〜!!!!

たくさんの人の努力や費やしてきた時間が垣間見えた気がするのです。贅沢で綺麗な景色ですよ。
こういうディスタンス(距離)は好きです。
最前だけが神席ではないし、
近ければいいってものじゃない。
そういうことですね。

次はいつ、あの絶景を拝めるのでしょう。


なんの躊躇いもなく、
安心してみんなが観劇ができる日が
1秒でも早く戻ってきますように。


お疲れ様でした。

追伸.コロナそろそろいい加減にして。

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