タルさんのZUMBA
勝手にインストラクターとは厳しい人だと思ってた。呼吸はこうだとか「あと少し!」とか振り付けに名前を付けて指示をくれるものだと。
実際私が通ってたヨガのインストラクターはそんな感じだった。目指すべき正解があって、それに近づける作業。まるで受験勉強のような。
それはそれで悪くない。完全に下界の空気をシャットアウトして何もかもその世界観に身を預ける感じ。
楽しいと感じるかどうかではなく、正道を歩むうちに見える景色がある。良い悪いではない、そういうもの。
でもタルさんのZUMBAはそんなイメージを綺麗に覆してくれた。
そもそもZUMBAが何かもわかっていない…知らない人ばっかりだ…そんな不安を軽々と飛び越えてくれる。
タルさんはダンス中ほぼしゃべらない。
「次は〇〇!」とか「振りは大きく」とかそういう指示を全然しない。私たちはタルさんの顔や手足の動きを見て次を予測する。
タルさんの視線が、指先が、明るく「ここにいていいんだよ」「間違ってもいいんだよ」と語りかけてくれるみたい。
正確に踊るんじゃなくて一番えらいのは楽しく大きく踊った人、そんな感じがすごく面白い。
それともう一つ大きな驚きが。
これまでイベントやセミナーを受けてきた課題として「家に帰ると自分が変わってない」があった。
会場ではすごく感動したりするのに。
ZUMBAはその変化量が過去最大だった。
自分で運動してみてもある程度のところで限界を決めてしまったり、しんどくてやめちゃったりする。
みんながいるZUMBAは全然やめるタイミングがない。笑
休憩も飲み物を飲む程度。たぶん90秒くらい。
少しおしゃべりしてると気づくと音楽が始まってる。
「あ、踊ってる!私もやろ!」気づくと限界を越えている。
正確には自分で限界だと思っていたラインを軽々と越えられる。
自分ってこんなに汗をかけるんだ、こんなに動けるんだ、そんな発見が心地いい。
環境が人を変えるとはよく聞くけどこういうことなんだな。
あとタルさんはメンバーそれぞれに「素敵な一言」をくれる。
もらった人は少し嬉しくて心のポケットにそっと仕舞う。
また来たいな。