[ゲーム雑記]和風でなくても十分に面白いゴースト・オブ・ツシマ[ps4]

2020/8/9 やきとり

PS4「ゴースト・オブ・ツシマ」が面白い。「メタルギアソリッド5」を30分で投げ、「Horizon zero dawn」を8時間で飽き、「ゼノブレイド」を購入の翌日に中古ショップに売り、…とつまらないと思った作品には容赦ない自分が既に数十時間、飽きることなく蒙古兵との戦いにのめり込み続けている。

ゲームとして面白いゴースト・オブ・ツシマ

正直、購入当初はあまり期待していなかった。話題になっていたので何となく手に取った次第だ。その間に「ウィッチャー3」など他の名作ゲームにも手を伸ばした。その中にはある程度やり込みたいと思えるものもあった。

しかし、やはり「ゴースト・オブ・ツシマ」が圧倒的に面白い。寝食を忘れて没頭し続けてしまう。何が自分をこうもはまらせているのか。

和風オープンワールドゲームという一風変わったコンセプトが好みに適っていることも大きいだろう。しかし、それだけではない。和風ゲームであることを除外しても本作は十分に没頭できる豊かなゲーム性を持っている。

そもそも、日本を題材とするゲームはこれまでも数多く出ているのだ。ただそれだけが売りであれば、既に多くの名作に触れた現代のプレイヤーを唸らせることはできないだろう。大好きな日本がゲームになっているからではなく、純粋にゲームが面白いから飽きないのだ。

ほどほどにシンプル

プレイヤーに与えられるギミックは単純過ぎては楽しみようがないが、逆に複雑過ぎると遊びにくさをもたらす。「ゴースト・オブ・ツシマ」はそのシンプルさと複雑さのバランスが秀逸だ。

たとえば「ウィッチャー3」であれば、地面に生えている草花一つにも個別の名前があり、素材としての活用方法など個別のストーリーを持っている。草花にも手を抜かない徹底的な作りこみはオープンワールドの王道であり、プレイヤーをのめり込ませる手法だが、一方でマニアックさ、取っつきにくさをもたらすだろう。

「ゴースト・オブ・ツシマ」に登場する花はゲーム中のアイテムとしては一種類、「花」しかない。「花」は集めることで別のアイテムと交換できるが、その交換アイテムもキャラクターの見た目を変える(だけの)ためで、必ずしも攻略に必須ではない。

全ての種類の花を発見しているかどうかリストを示されることはないし、「〇〇の花を見つけて〇〇の薬を調合せよ」といった細かい指示が飛ぶことも無い。「ゴースト・オブ・ツシマ」の花は、関わるかどうかをプレイヤーの意思に委ねられた、ただそこに咲いていることが役割の存在だ。

それが、気楽でよい。少なくとも自分にとっては。興味が無ければ無視してよいし、気が向いたら回収すればよいのだ。むしろ、見た目は違っていても、拾えば「花」一種類でしかないことが、主体的に個体差を楽しむゆとりを生んでいる。

戦い方に選択の余地がある

本作は侍である主人公が蒙古との戦いに勝利するために、やむ無く背後からの急襲といったステルス戦闘の手段を行使する所から物語が開始していく。以降プレイヤーは幾度となく、複雑に敵の配置された拠点をステルス戦闘を駆使して攻略することになる。

しかし、一部の条件的なクエストを除けば、プレイヤーは刀一つで正面から戦いを挑んでも十分に攻略が可能な設計になっている。そして、実際にそうした場合の盛り上げ方もよく出来ているのだ。

最適解を探すように状況に応じた攻略方法を選ぶことが製作者に意図された醍醐味ではあるが、強制もされていない。隠れることが面倒なら、さっさと出ていって手当たり次第に斬り伏せてしまっても十分に楽しめる。いつでも元来の戦い方に戻れる自由度が、絶妙のバランスをもたらしている。

緻密に計算されたプレイ感覚

本作はアクションゲームとしてはかなり難しいものだ。マリオのように初めから自在に飛び回ることは出来ず、気を抜いていると呆気なく負けてしまう。だが、不思議と理不尽さを感じさせない。おそらくこれは、製作者がプレイヤーのプレイ感覚を緻密に計算した結果だ。

たとえば、敵の一部は弓を持っており、レベルの高い敵は複数で次々と連射してくる。その一方でプレイヤーはそれに対抗するための非常に感度の良い回避方法を与えられてもいる。矢が飛んでくることを意識さえできれば何本でもほぼ確実に回避可能なのだ。

このバランスもやはりちょうどよい。意識を割いていれば当らないが、隙を見せるとすぐに当たり始める。この巧みな感覚は、ゲームの反応がプレイヤーの感覚に忠実であることが大きいのだろう。つまり、プレイヤーが意識しているのに、ゲームの反応が遅れるがために上手くいかない、といった理不尽な感覚がほぼ無いのだ。それにより、敗けたのは間違いなく自分のミスだという実感が持てる。

まとめ

以上のように、「ゴースト・オブ・ツシマ」はプレイヤーの遊び心を巧みに刺激するために、バランスよく設計されたゲームである。本作を和風であることで何となく敬遠しているプレイヤーは是非やってみて欲しいゲームだ。

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(↓)他の「ゴースト・オブ・ツシマ」に関するnoteです。


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