Live2Dに適したイラストとは?
こんにちは、Live2Dアドベントカレンダー12/19担当の山田です。
名古屋の方で、日々Live2D触ってる系フリーランスです。
ゲーム・その他アプリや映像用のキャラクターモーションやVtuberモデリングetc……、制作・監修・技術指導等Live2D何でもお請けしてます。(※営業)
はじめに
前回のアドカレ(もう2年前!!)の記事はこちら↓
前回はものの形を立体的にとらえるためのデッサンのお話しでしたが、今回は「イラストそのものの雰囲気を保ったまま動かすことができる」という、Live2Dの特性を生かすお話し。もっと!どんな絵柄でも原画の雰囲気そのままで行けるぜ!!っていう面を推していきたい
あと、山田はゲーム系案件が大半では?って感じなのでゲーム系組み込みモデル・Vtuberモデルどっちもまたがる話をしてます
Live2Dに適したイラストとは
たまに、Live2Dに適した絵柄やポーズの話について論ぜられるのを見かけたりしますが(左右対称とか、ポーズは腕をまっすぐとか、シンプルなアニメ塗がいいとか、たぶんそんな感じだと思う)
私がどういう絵がふさわしいかを尋ねられた場合の回答はこうです
「なんでもいいです」
補足として、
「Vtuber用」なら特別理由がある場合を除いてカメラ目線であること、変に体に力が入ってないポーズだとデフォルトで画面に映ってても不自然さがないと思います(Vtuber用制作以外の場合は関係ないことがよくある)
あと、髪と布が大きくなびいて固まった状態だと常に強風吹いた感じになっちゃうのでそれでもいいかどうかはあるかも(Vtuber用制作以外の場合は関係ないことがよくある)
要は、最終的に媒体に映したときにふさわしいポーズであれば何でもオッケー(Vtuber用制作以外の場合は関係ないことがよくある)。むしろイラストレーターさんは好きにこれがかっこいい/かわいいと思うポーズで得意な絵柄で描いてくれればよいと思ってます。
あとはモデラーが何とかするから大丈夫!!(って私は言う)
少なくともそれなりに技術があるモデラー相手なら問題ない(よね??)(強い言葉を堂々と吐く顔)
しいて言うなら、正面向き左右対称であれば、塗りがシンプルであれば、工数的に削減できる箇所が出てくるので、そういう意味ではやりやすさはありますが、そうじゃない場合に難易度があがるかといえば、難易度ではなく手数が増えるという意味で大変さが増すと回答しています
Live2D的な難易度が高いものとは
工数が増える、必要なデフォーマやパラメータが増えるなどは前述と同じく「手数が増える」ので(初心者には頭こんがらがって難しいの一言になってしまうとは思いますが、初心者目線は全部難しいってなってしまうのでデフォーマー構造が理解できている中級者向けとして)面倒の範囲という認識なので難易度とは別とさせていただきたい。例えば、腕組んだり、つえが常に地面についてたり、手の切り替えが複数あったりは調整箇所が増えるけど構造が理解できてればそんなに難しい系ではないと思ってます
・絵柄が厚塗りの場合、厚塗りが多少わかってないとパーツ分けで躓きがちなので、絵が描けないタイプの人はパーツ分けの段階で難しい
・絵柄がリアルによるほど、より現実の顔の筋肉の動きを研究しないといけないので、知識がない場合は難しい
・肩関節の可動域が多い・肘がぐるぐる回ると動かしたときにパラメーターの組み合わせで破綻が起きないかのチェックが増えて工数・難易度ともに五つ星
・デフォルト状態が極端に斜め向き(ほぼ横顔では?)の場合に崩さず角度つけるのは純粋に難しいと思う
・レイヤー効果がかかったエフェクトなどは原画でレイヤー分けされてないとしんどいことがある。できないとは言わないがとても面倒
・自分の絵より他人が描いた絵を動かす方が難しい(感覚が違う)
・真横向くとか可動域やばいやつはやばい
・イベントスチル的な一枚絵を動かすとか人型ではないキャラ動かすとかはデフォーマー配置が人型立ち絵と違ってくるので慣れてないと(デフォーマ順序のルール身についてないと)効率的に作業するのが難しい
・線画に色収差かかってるときはうわあってなったことはある
・2人以上のキャラが絡むと描画順地獄
ちびキャラとかシンプルな絵柄の方が時間かからず難易度低いのでは?と思われることがあるのだけどある程度のクオリティを求めるとそうでもないです。デフォルメ強いほど動きもデフォルメ効かせて大げさな動きのが映えるから可動域大きくしたりデフォルメ表現のためにパーツの切り替え増えたり、手のかかるとこが増えたりします(私の場合)
あっでもアニメーションを作る際に切り替え多いと、単純に手数だけでなく、自然に見えるタイミングでの切替箇所が増えたり、その時にふさわしい切り替えができてるかの選択が必要だったり、難易度が上がると思う(そもそもアニメーションを自然につくるのが難しいという話でもある)
尚、アニメーションのお話しもあるよ↓
Live2D的な難易度が高いものをどうするか
だいたいデッサン力(観察力含む)・デフォーマー構造見極め力(Live2Dに慣れる)があればいけるので、そう、見る目と手を鍛えよう!!
もうこれに限る
あとより効率的に制作できるようにふさわしいデフォーマー構造に迷わずたどりつけるように経験を積む……つまり、根性と筋肉!!!
クオリティの高いモデルとは
おまけで、モデラー及び制作に慣れたクライアント目線で求められるクオリティの高いモデルとは何かについて
昨今はVtuber系のモデリングを中心に、Live2Dできるよーという人が増えてますが、それでもクライアントサイドからは人材が足りてないって声はなくならないように思います。
私の耳にするのは立場的に、外注できる人材が足りないなので、=(求めるクオリティのものを修正含めてある程度のフォローだけで指定のスケジュール内でで制作できる)人材が足りない、という意味とらえてますが
じゃあクオリティの高いモデルが作れるモデラーってどんな?っていうと、思いつくので
・どんなポージングでも自然に動かせる
・とにかく自然な動きが作れる
・とにかく自然なアニメーションつくれる
・(アニメーションで)キャラクターにふさわしい演技をさせられる
・揺れものを素材の質感(厚みや重さ)を考慮して自然に動かすのができる
オプションで
・デフォーマー構造を無駄にややこしくしない
・組み込み後の負荷に考慮したモデルのルールを抑えている
という感じかな、と思うので
やはりどんなポージング・絵柄・描きこみでも自然に動かせる能力あるに越したことないので、モデラー自身もこんなポーズ無理ってならずに「やってやらあ!!」っていう意気込みで行ったらいいと思う
私、最初のLive2D制作はLive2Dで動かすことなんか前提にしてない絵ばっかりだったからいけるよきっと(その辺の話は↓にちらっと)
後アニメーションつくろう!!
ちなみにアニメーションについてちょっぴり書いた記事はこちら
さらにあるといいスキル(受託向け)
・打たれ強い(修正フィードバックに対してへこたれない)
・報連相ちゃんとできる
まとめ
さて、ちょっと道を外れつついろいろ書きましたが
Live2Dモデルに適したイラストは
モデリング初心者の場合は複雑なポーズは避けた方が無難
パーツ分けがあまりできない場合(モデラーが絵が描けないタイプかつパーツ分け担当がいないなど)はシンプルなアニメ塗などの方が無難
モデラーのデッサン的素養が今はまだ足りないなという場合はリアルよりな(骨格のことももりもり考えようぜっていう変形を伴う)絵柄は避けた方が無難
モデラーの腕がある場合、パーツ分け能力もあるならなおのこと何でもいい
ただし、用途によってふさわしい(Vtuber モデル用なら辺に力の入ったポーズはデフォルトとしてはなるべく避けようね)ポーズが好ましい
なので、モデラーの腕によっては難易度高くて難しいってなってしまうことがあるので、頼まれる側・頼む側両方が現状の力のわかるポートフォリオをだす・ポートフォリオをよく見て判断することが大事だと思います
ちなみに山田のポートフォリオはこれだ!!なんでも動かすよ!!!
※ゲーム系等実績については別途お問い合わせください※
明日は「うなぬん」さんの「初心者でもできる髪の毛のゆるふわ物理演算設定」です!