ハンガリー医学部の病院実習
ハンガリー医学部では各学年の夏休みに1ヶ月間の病院実習があります。
6月末でテスト期間を終えると、7月か8月のどちらかで実習を行います。
概ねハンガリー医学部の各大学で同じような実習内容のようです。
どの国で実習するか
まず、将来働きたい国が決まっていればできるだけ早く病院を探して申し込みましょう。
大学によってどの病院で実習してもよかったり、リストに名前が載っている施設でないといけなかったりします。
イギリスやドイツ、アメリカなどは人気で返信がもらえないことも多いので、手当たり次第に連絡したほうがいいです。
多くの学生は日本かハンガリーかで迷います。
日本のほうが1日の実習時間が長い傾向にあり、日本は枠に限りもあるのでハンガリーで実習する人のほうが多いです。
私個人の意見ですが、日本で働くつもりであれば4年生の実習までに1回は日本で実習をしておくといいと思います。
5,6年生になると具体的に初期研修先を考え始めるので、それに先駆けて日本で実習をするのは情報収集の点でも有効です。
ここからは各学年の実習について、主にハンガリーで行う内容を書いていきます。
1年生(2年生):看護実習
担当の看護師さんがついて朝7時半〜8時半くらいからスタートします。
どの科で実習をするかは履修登録時に選択でき、1年生もしくは2年生のどちらかで行います。
実習の終了時間は担当者や科によりますが、最近は14時〜15時くらいに終わるところが多いようです。
(以前は午前中には実習が終わる科が大半でした。)
血圧と体温の測定、ベッドシーツの交換が朝の主なタスクです。
朝のタスクが終わると、採血や術前管理の手伝い、点滴の準備など各科それぞれのタスクを任されます。
暇な時間のほうが長いことも多く、スマホやタブレットで各々の時間を過ごします。
毎日出席のサインがあり、所定の日数分を出席すると実習終了です。
3年生:内科実習
担当の内科の医師についてまわります。
看護実習と同じく、どの内科で実習するかや担当の医師次第で拘束時間や内容は異なりますが、概ね8時〜9時スタートでお昼には終わります。
血圧測定や採血などのタスクもありますが、ベッドサイドで担当の医師から患者の説明を聞く時間が長いです。
各疾患の病態、心電図や血液検査の解釈など、臨床的な知識の触りのような内容を医師と質疑応答するので、看護実習よりもだいぶ医学生になった実感が湧きました。
日本で実習をすると幾つかの内科を1週間や2週間ずつ回るようですが、ハンガリーでは基本的に1つの内科で同じ医師にずっとついて回ることになります。
4年生:外科実習
内科実習と同じく担当の医師がつき、病棟管理の手伝いと手術の見学が主な内容です。
2-3日に1回の頻度で手術室に割り当てられ、鉤引きなどのアシスタントをします。
参加する手術の種類は癌やヘルニア、消化器系の病気のものなど様々です。
病棟管理では傷の経過観察や消毒を手伝いをします。
時間がある時には担当の医師が各疾患の体系的な説明や手術・術式の要点を教えてくれます。
開始・終了時刻は内科と同じく8時〜お昼頃までのことが多いです。