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"誰もが安心して食べられる製品を目指して"、製造現場のリーダーが語る品質へのこだわり

山田水産を支える”チームYAMADA”で活躍する先輩社員のみなさんにおはなしをお聞きするインタビュー企画。それぞれの現場で日々任務に励む先輩たちの姿をご紹介します。
今回は志布志工場の生処理室でリーダー中迫 誠さんです。山田水産の人気商品である「さばカツ」「イカカツ」「シシャモフライ」の製造に携わる中迫さんに、お仕事内容や入社後チャレンジしたこと、仕事をする上で大切にしていることなどをお聞きしました。

プロフィール
中迫 誠 (なかさこ まこと)
2018年入社
山田水産株式会社 志布志工場 生処理室リーダー

「さばカツ」や「イカカツ」を生み出した志布志工場の製造現場とは

中迫 誠さん

ーーまずは山田水産に入社するまでの経緯を教えてください。
中迫
 私の職歴は郵便局の配達員からスタートし、その後建設会社を経て、山田水産とは別の養鰻会社で働いていました。山田水産への入社のきっかけは、郵便局時代の先輩からの紹介です。

当初、山田水産は養鰻だけの会社だと思っていましたが、その先輩から話を聞くうちに、志布志の新工場でフライ商品の製造や真空加工など、新しい事業展開をしていることを知りました。食品加工の経験はありませんでしたが、以前から興味のある分野だったので、転職を考えるようになりました。

特に私が魅力を感じたのは、一般的な養殖場が鰻を育てて終わるのに対し、山田水産は養鰻から加工、真空包装まで一貫して手掛けているというところです。この統合的な事業展開に強く惹かれ、ここで働きたいと思いました。

――実際に入社してから驚いたことはありますか?
中迫 
入社前は、フライ作りは魚に粉をつけ、パン粉をつけて揚げる工程だけだと思い込んでいました。ところが実際に入社してみると、凍ったブロック状の魚を解凍するところから始まり、フィレ機を使って1匹丸ごとの魚を加工していくという、想像以上に本格的な工程に驚かされました。

さらに印象的だったのは、製造工程の機械化です。魚を丁寧に並べると、そこからフライ製品になって冷凍されるまでが一連の流れで進んでいく。凍った魚の解凍から最終的な冷凍保存まで、すべてをワンストップで行う生産体制の規模と効率の高さには本当に感銘を受けました。

ーー志布志工場ではどのような商品を製造しているのでしょうか?
中迫
 志布志工場の主力商品は「さばカツ」「イカカツ」「シシャモフライ」の3種類です。現在では製造開始から5年が経ちますが、私が入社した当初は、アジやししゃものフライ、タレに漬けたイワシ、サバの干物などを製造していました。

志布志工場で製造している"カツ"の詰め合わせ

さばカツ開発のきっかけは、入社から2年ほど経った頃に、骨を除去したサバの原料があるという情報を得たことでした。それまでサバのフライ製造の経験はなく、原料の性質も分からない手探りの状態。営業チームから原料についての説明を受け、まずは一晩かけて解凍したサバを焼いて食べてみることから始めました。0から関わってきたさばカツには、特別な思い入れがありますね。

シシャモフライは製造開始から8年ほど経ちました。最近では新商品としてイカメンチカツが加わり、現在は4種類のフライ製品を展開しています。

中迫さんのよくある1日

ーー志布志工場では、人気商品の製造を数々行っているんですね!
月にどれくらいの量を製造されているんですか?
中迫
 さばカツの生産量は1日あたり原料で3トン。サイズは様々で、大きいものは5kgあたり20枚、一番一般的なサイズは5kgあたり70枚です。このサイズの違いを考慮すると、1日の製品出来高は2万7000〜8000枚になります。また、イカカツは1日あたり2トン200kgほどの生産量です。

週5日の稼働のうち、4日はさばカツの生産に充てています。残りの1日で、イカカツ(隔週)とシシャモフライ(2週間に1回)を製造しています。月間の生産量でみると、イカカツが10トン弱、シシャモフライは1回1500kg、月2回で計3トンです。スケジュール調整は、営業部門や他部署、工場長との連携のもとチーム一丸となって行っています。

製品の原材料は大型の冷凍庫で保管・管理されている

ーー中迫さんが現在リーダーをされている生処理室のお仕事について教えてください。
中迫  
私が担当している生処理室は、原料加工室、粉付け室、フライ室の3つの部署からなるチームです。現在社員は4名体制で、原料加工室、粉付け室、フライ室にそれぞれ1名ずつ配置し、私が全体の監督と問題対応を担当しています。

フライ製品の製造は、前日から始まります。まず夕方に、凍結状態の原料を解凍室に移動させ、一晩かけてじっくりと常温解凍を行います。翌朝、その原料を加工室に運び、塩水を使って本格的な解凍作業に入ります。製品全体に均一に火を通すために、この解凍温度の管理が重要になります。

原料加工室では、フィレ加工済みの原料に残った骨がないか丁寧にチェックしながら、ベルトコンベアに並べていきます。効率的な作業のために、塩水タンクとローラーを使った水切り場所をベルトコンベアの近くに配置して作業を行います。この設備は毎日徹底した分解洗浄を行い、翌日また組み立て直します。

丁寧に下処理をしたサバをラインに並べていく

原料がベルトコンベアを通って粉付け室に到着すると、まず集塵機による打ち粉工程が始まります。この最新設備により、原料の表裏両面に均一に打ち粉を付けることができます。続いてバッター液の塗布とパン粉付けを行いますが、これらの機械も自動供給システムを導入しており、センサーで残量を検知して自動補充される仕組みになっています。アレルゲン管理の観点から、これらの工程は1日1ロットでの製造を徹底しています。

打ち粉やバッター付はすべて機械が行う

最後のフライ室では、2度揚げを行い、その後タレ付けへと進みます。タレの温度は30度以上という厳密な管理を行っており、2~3分に1回の頻度で人の手による補充を行います。この温度管理は製品の仕上がりを大きく左右する重要な要素です。タレ付けの後はバーナーで炙ることで、外はサクッと、中はしっとりという理想的な食感を実現しています。

美味しさを追求するために2度揚げされている

各工程では、機械による効率的な製造と人の目による細かなチェックを組み合わせることで、品質の維持・向上に努めています。特に焼き室や冷凍機内部は、アルコール消毒を徹底し、衛生管理には細心の注意を払っています。

甘辛のオニオンソースに潜らせれば絶品さばカツの完成!

家族や友人の"美味しい"が原動力。コロナ禍を乗り越えた現場の底力

ーーたくさんこだわりをお聞きしましたが、中迫さんがリーダーとして仕事をするなかで、意識していることや大切にしていることはありますか?
中迫 
私が最も大切にしているのは、自分が消費者として「食べたい」「買いたい」と思える商品を作ることです。見た目の美しさはもちろん、衛生面でも妥協は許されません。自分が消費者の立場だったら「これなら安心して食べられる、美味しい」と感じられる商品づくりを心がけています。

今のチームは人間関係も良好で、とてもいい雰囲気です。8名のメンバーは20~30代が中心で、パート従業員も含めて上下関係にとらわれない自然な雰囲気があります。「彼女ができました!」「昨日こんなところに行ってきました!」など、プライベートな話も気軽にしてくれることは、とても嬉しいですね。以前の職場では「先輩=怖い」という雰囲気だったので、この自然な交流は新鮮に感じています。

志布志工場ならではの特徴として社員食堂があり、みんなで賑やかに昼食を取ることもあります。最近は男性中心だった職場に女性社員も加わり、さらに活気が増しています。これは製造工程の機械化により、性別を問わず活躍できる環境が整っているからこそだと感じています。

ーーすべてが機械化されているというのは大きな強みですね。こうした職場環境についてどのように感じますか?
中迫 
私自身は他の食品工場での経験はありませんが、すべてを手作業で行う工場では30~40人規模で製造しているとも聞きます。その点、当社は機械化により少数精鋭での生産を実現できており、これは大きな強みだと感じています。

特に印象的なのは、会社の設備投資に対する姿勢です。佐伯の新工場のYoutubeを見ると、機械化以前は作業者の腰痛や腱鞘炎が多かったそうです。それを改善するために数十億円という大規模な設備投資を行う。「もっと頑張れ」「しょうがない」で済ませるのではなく、機械化によって従業員の負担を軽減し、作業効率を上げていく。

私自身も過去に腰を痛めた経験があるだけに、従業員の健康を第一に考え、働きやすい環境づくりに投資を惜しまない会社の姿勢には本当に感動しています。この経営方針こそが、山田水産の大きな魅力の一つだと思います。

フォークリフトに乗って作業をする中迫さん

ーーかなり膨大な量の商品を製造されている中で、やりがいを感じる場面も多いのかと思いますが、どんなときにやりがいや達成感、充実感を感じますか?
中迫
 一番のやりがいを感じるのは、両親や友人に商品を食べてもらった時です。「美味しい!また食べたい!」という言葉をもらえると、本当に嬉しくなります。

一方で、特に苦労したのはコロナ禍の時期でした。出勤できる従業員が最低限必要な人数を下回ることもあり、他部署からの応援を得ながら何とか製造を続けました。今は落ち着いていますが、あの時期の人員確保の難しさは、特に印象に残っています。

おしゃれなロゴやデザインも人気の秘訣

ーーピンチのときに、他の部署との連携ができることは"チーム山田"ならではですね。
中迫 
部署を超えた協力体制は、私たちの大きな強みです。志布志工場内でも、フライラインと真空ラインの間で必要に応じて人員の融通を行っています。

それ以上にすごいなと思うのは、工場間での連携です。人手が足りない時は、有明工場や垂水工場から応援が来てくれますし、私たちも他工場の繁忙期には応援に行きます。以前の職場でも工場間の応援はありましたが、それは同じ作業内容の工場間でした。

しかし山田水産の場合、垂水工場はシシャモの干物、有明工場は鰻の蒲焼など、それぞれ全く異なる製品を製造しているにもかかわらず、フライ工場のスタッフが他工場で即戦力として活躍できる。この柔軟な人材活用は、他社では聞いたことがありません。製品は違えども、会社全体が一丸となって助け合える体制があることは、本当に素晴らしい強みだと感じています。

人見知りを克服してリーダーへ!声かけから生まれる信頼関係。

ーー山田水産の一員になって働く中で、成長したなと思うことはありますか?
中迫 
入社当初は人見知りで、人とコミュニケーションを取ることが苦手でした。しかし、先輩方の温かいアドバイスとサポートのおかげで、徐々に周囲と打ち解けることができました。仕事に対して熱くなることもありますが、今では良好な人間関係の中で働けていると感じています。

リーダーという今の立場は、自分でも想像していなかったものです。人見知りな性格から、指示を出すことにも苦手意識がありました。しかし、山田水産で働く中で、様々な部署のリーダーの姿を間近で見る機会に恵まれました。それぞれのリーダーの考え方や行動から、良い点も改善点も学ばせていただき、少しでも自分の成長につながることはないかと、常に観察しながら働いてきました。気がつけば、そんな日々の積み重ねが自然とリーダーとしての自分を形作っていたのだと思います。

ーーリーダーになってからの変化はありますか?
中迫 
リーダーとして今年で4年目を迎えました。以前はメンバーと同じ立場でしたが、リーダーになったことで時には厳しい指摘をしなければならない場面も出てきました。しかし、私が大切にしているのは、注意や叱責ばかりのリーダーにならないことです。メンバーが「働きたくない」と感じるような職場にしたくないですし、自分勝手な判断で物事を進めるリーダーにはなりたくありません。

そのため、できるだけメンバーに声をかけ、コミュニケーションを大切にすることを心がけています。その積み重ねが今の良好なチームワークにつながっているのではないかと感じています。

ーー山田水産で働いてよかったなと思うときはどんなときですか?
中迫 
自分が携わった商品を食べてもらい、「美味しい」と言ってもらえる瞬間が、最高の喜びです。

特に嬉しいのは、サバカツの骨を除去することで、幅広い世代に安心して食べていただける商品になっていることです。知り合いのお子さんからも「大きな骨がないから安心して食べられる」という声をいただき、とても嬉しく思います。

小さなお子さんからご年配の方まで、誰もが安心して楽しめる商品を作れることは、私にとって大きな幸せです。年齢を問わず「美味しい」と言っていただける製品づくりに関われることを、本当に誇りに思います。

――社内には経営理念や社訓、禅語などが掲示されていますが、好きな言葉はありますか?
中迫 
毎月社内に掲示された言葉の中で、特に心に響いたのが「真剣勝負」という言葉です。スポーツと同様、仕事においても真剣に取り組まなければ、どこかで必ず負けが見えてくる。真剣だからこそ負けた時の悔しさを糧に、改善点を見出し、より良い方向へ進もうとする意欲が生まれると感じています。

特に食品加工の現場では、一つの不注意が大きな問題につながりかねません。例えば、手洗いやアルコール消毒が不十分であったりした場合の影響はかなり大きいでしょう。

でも1日中常に緊張状態では人は疲れてしまいます。そこで私が心がけているのは、緊張すべき場面としっかり休息を取る時間のメリハリです。製造工程での衛生管理など、真剣に取り組むべき要所では気を抜かず、休憩時間にはしっかりと英気を養う。この「要所要所での真剣勝負」の積み重ねが、長期的な品質維持につながると考えています。

ーー中迫さんの今後のリーダーとしての目標を教えてください。
中迫 
今後、さらに若い世代が入社してくる中で、私が目指すのは「見て学びたい」と思ってもらえる存在になることです。いつか体力では若い世代に及ばなくなる時が来るでしょう。でも、その時に「この人がいると安心」「この人は頼りになる」と感じてもらえる先輩でありたいと思います。

リーダーという立場を離れたとしても、「この人がいてくれれば現場は大丈夫」と信頼される存在であり続けたい。それが私の目標です。

――最後に就職活動の方にメッセージをお願いします!
中迫 
私も食品加工の経験がないまま山田水産に入社しましたが、今では大きなやりがいを感じながら働いています。以前、建設会社で働いていた時は、天候によって休みや給与が左右されていました。その点、工場での仕事は天候に関係なく安定した収入が得られ、生活設計がしやすいのが魅力です。

また、水産業界というと体育会系の厳しい上下関係や、荒っぽいイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし山田水産の雰囲気は全く違います。休憩時間にみんなで携帯ゲームを楽しむような、アットホームな環境です。

実際、昨年入社した社員は人見知りで、最初は周囲とコミュニケーションを取るのが難しいと話していましたが、今では皆と打ち解けて、一緒にゲームを楽しむまでになりました。こんなふうに一人ひとりが自然体で働ける雰囲気も、山田水産の大きな魅力だと思います。未経験でも安心して働ける職場で、皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

山田水産 志布志工場の募集要項はこちら!

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