なぜ、ただで範疇外のことをしてはいけないのか
こんにちは、山田方式ケアプラン構造こと、山田準一です。
これまでも、ただ働きを強いられるケアマネジャーについて(1)(2)を述べさせていただきましたが、その度にケアマネジャーから「実例まではやっていない」や「独り暮らし、身寄りなしや生活保護受給者の場合は、やらざるを得ない」という声を多くいただきます。
全国には沢山のケアマネジャーがいます。世代や年代も違います。地域や地域性も違います。価値観も違います。ケアマネジャーになるまでどういう職種・仕事をしてきたかも違います。なので、考え方や捉え方が違うことは当たり前です。
しかし、同じ専門家であるケアマネジャーが罪を犯した報道・ニュースをみる度に憤りを感じます。
憤りの矛先は、ケアマネジャーの犯罪の原因やきっかけを考えようともしない国や自治体に対してです。
ケアマネジャーなどが起こした犯罪
ご利用者・ご家族や介護業界外の方から「そんなこと本当にあるんですか?」と言われることがあります。しかし、現実にあります。
※古いニュースサイトは閉じてしまうことがありますのでブログ記事も貼っています
範疇外だからグレーゾーン
ケアマネジャーの仕事は解りづらく、見えない仕事が多いです。
『白』『グレー』『黒』は何かと考えました。
『白』は法的に決められたケアマネジャーの仕事(画像の仕事内容)。
それ以外は『グレー』。
『グレー』が『黒』へ変わらないように、ケアマネジャーは細心の注意をはらいご利用者のためにと範疇外の行為を行っている現状があります。
私も、ふすまの滑りが悪かった高齢ご利用者宅をモニタリング訪問ついでに、滑りを良くして大変喜ばれたこともあります。
奉仕の心と真心がきっかけとなる⁉
介護の仕事は、奉仕の心や真心が大事ときくことがあります。しかし、仕事は対価を得ることです。奉仕の心と真心だけでは、仕事は成り立ちません。
ご利用者のためなら何をやってもよい。奉仕の心や真心が大事と言われ続けて、一生懸命ご利用者のために何でもやりバーンアウトしたケアマネジャーもいます。
罪を犯したケアマネジャーも、ご利用者のためなら何をやってもよいと思い一生懸命ご利用者のために動いているうちに、越えてはならない一線を越えてしまったと推測します。罪を犯したことは議論できません。
範疇外の行為は犯罪リスクが高いのです。
断る勇気とリスクヘッジ
ご利用者・ご家族や関係機関は、誰に言ったらいいのか解らないから信頼しているケアマネジャーに何でも言ってきます。
ケアマネジャーは優しい人が多いです。しかし、断ることも大事です。断ることで、ご利用者・ご家族や関係機関も別の方法を考えるきっかけになります。
ケアマネジャーには職業倫理が求められます(画像は倫理の参考)。
また、事故やトラブル防止を心がける・注意するの精神論ではなく、事故やトラブルの教訓を活かして事業所の仕組みとして契約書などを整備することが大事です。初回アセスメント面談や契約の時点で、範疇外を行うご家族・頼れる方がいないご利用者の場合は、身元保証サービスや成年後見制度などにつなげることも大事です。契約書などを整備することで、事故やトラブル防止だけではなく犯罪予防や抑止にもなります。
ケアマネジャーに押し付けるな
罪を犯したケアマネジャーは悪いです。しかし、犯罪のきっかけとなることが多い範疇外のことや制度のスキマをケアマネジャーの善意に頼っている厚生労働省や自治体には責任はないのか。リスクが高い範疇外を放置せず対策を打ち出してほしい。
高齢ご利用者が認知症や頼れる家族がいないなどで、預金引き出し・金銭管理ができなくなり苦しんでいることは社会問題です。この社会問題が放置されている現場で、ケアマネジャーにグレーな行為が押し付けられています。
ケアマネジャーが範疇外のことで不安を抱えず、ケアマネジメントに専念できる日がくることを願います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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