UX Bridge vol.7に参加してきました!〜2.職人にとってのUI/UXとは〜
こんにちは!やさしいデザイナーのまりまりです。
前回に引き続き、BtoB/BtoBtoCサービスにおけるUXをテーマにした勉強会、UX Bridge vol.7のレポートをお送りします!
UX Bridge、あまりにも充実した勉強会すぎてなかなかに情報量が多く、発表者ごとにレポートすることにしたのですが、第一回目のレポート『1.BtoB SaaSにおける究極のUI/UXってなんだ?』からだいぶ時間が経ってしまいました・・お待たせしました・・!
(ちゃっかり宣伝していくスタイル)
さて、今回は『職人にとってのUI/UX』というテーマで、株式会社 助太刀 CPO 小川貴之さんがご登壇された内容をレポートしていきます!
2. 職人にとってのUIUX by助太刀・小川貴之さん
助太刀とは?
「助太刀」は、現場の受発注、工事代金の即日受取などの機能で、建設現場で働く職人さんの働き方をアップデートするアプリです。(公式HPより引用)
建設業界が抱えている大きな問題に「人手不足」が挙げられます。これは普段あまり建設業界を意識していない方も、なんとなくは感じていますよね。
小川さんによると、建設業界の人手不足の原因は以下の3つだそうです。
・ICT化が遅れている(仕事を人に頼む時の手段が未だにアナログ)
・人を囲い込む慣習がある(他所の仕事を受けさせたがらない)
・不安定な経営環境である(繁忙期と閑散期の波が多く経営が安定しない)
そして小川さんは、人手不足を解消するのが難しい理由として以下の3つを挙げていらっしゃいました。
・職種が70種類以上と多い
・案件のサイクルが早いので、「掲載料は一律一回いくら」といったいわゆる紙媒体での採用では採算が合わない
・そもそも職人さんはPC使わない。よって掲示板サービスもだめ
そこで、この根深く難易度の高い『建設業界の人手不足問題』を解決するために、助太刀をアプリとして開発することになったそうです。
助太刀で「職人さんをかっこよく見せたい」
小川さんはご講演中、何度も「(職人さんを)かっこよく」という言葉を使われていたのですが、それがすごく印象に残っています。
小川さんが助太刀で目指しているのは、以下のような世界だそうです。(ちょっと私の解釈も入ってますが...)
助太刀で職人さんをかっこよく見せる+実際に働き方を底上げする
→積極的に「職人」という道を選ぶ人が現れるようになる
→最終的に日本がよくなる!
例として、Uberを挙げられていました。
「たとえば、Uberがスマホに入ってるとかっこよくないですか?Uberはタクシー運転手をかっこよくしたと思います。助太刀も、職人さんにとってのそういう存在になりたいです」
とにかく助太刀のデザインは「かっこいい」
このように、「(職人さんを)かっこよく」を目指す、小川さん。
これはもう素直な私の感想なのですが。。「かっこよく」を追求しているだけあって、助太刀のデザインは「めちゃくちゃかっこいい」です!!!
以下に紹介していきます!
ロゴが「かっこいい」
(OGPで見えると信じてる)めっちゃかっこよくないすか・・
職人さんのヘルメットを2つ重ねて、「助太刀」のイニシャル「S」が形作られています。
CMが「かっこいい」
サンドウィッチマンが助太刀を使って建設現場で働いたらムキムキになった、という設定らしい。謎の美女と「トモダチ」「スケダチ」と耳に残るやり取りをしています。
ガッとCM打つ施策がそもそもかっこいい。そしてサンドウィッチマンはおもろい。
「助太刀をする」という造語が「かっこいい」
助太刀では、自分が働きに行くことを「助太刀をする」、誰かに働きに来てもらうことを「助太刀を頼む」と言います。
すなわち造語が使われています。
これは、かつて全ての携帯プレーヤーがウォークマンと言われたように、職人さんたちが当たり前のように「助太刀に来てよ〜」などと日常的に言葉にしてくれることを狙っているとのことです。かっこいい。
UIデザインが「かっこいい」
UIも「助太刀を使う人たちが、かっこよく見えるように」という想いを込めて作られたそうです。
(とりあえずチュートリアル動画を貼っておく・・)
色は建設現場らしく黒・黄色。
たとえ見やすくなるからといって、安易に「文字を大きく」「ボタンを大きく」などはしていないそうです。UIほんとにかっこいい。動画もイケてる。
災害支援も「かっこよく」
大阪の台風21号の際は、職人緊急募集を行ったそうです。
たしかにこういった有事にこそ、助太刀の存在がすごく活きますよね・・
迅速に災害支援を行えること自体がかっこいいですし、こういった判断によって、助太刀に本当にかっこいい職人さんが集まってくるようになるのだと思います。
まとめと感想:「ひとつのゴールを見据えたデザインをしよう」
「ひとつのゴールを見据えたUI/UXの設計をしたほうがいい」
こう小川さんはおっしゃっていました。
助太刀では、「(職人さんを)かっこよく」というゴールに向かって、ロゴも、UIも、チュートリアル動画も、ここでは紹介できませんでしたが会社までの道案内までも(!)、かっこよく作っているわけです。
デザイナーとして、「自分のプロダクトのゴールはどこなのか?そしてそのゴールに向けてデザインするスキルは十分か?」と、かなり考えさせられるご講演でした。
そして「ひとつのゴールを見据えたデザインをする」というのは、そのままブランディングという言葉にも置き換えられるのではないでしょうか。
私は社会人歴1年目のひよっこデザイナーですが、早くスキルアップして、ブランドに貢献できるデザイナーになりたいです。それこそ、「かっこよく」をゴールに据えても、「かっこいい」デザインができなきゃ辿り着けませんからね・・がんばるぞい!
それでは次回は最終回です。
株式会社リクルートライフスタイル UXデザイナーの関口 聡さん、同じくUXデザイナーの熊澤 兼一さんのお話をレポートします!
お楽しみに〜♪