【プライベートブロックチェーンが未来を作る】クローズド化していくコミュニティ
コミュニティのあり方が変わる
人は皆、何らかのコミュニティに所属しながら生活している。
家族、学校、地域、会社など、コミュニティの形態は様々だ。
あなたは所属するコミュニティを自発的に選んでいるだろうか?
学校をはじめとして、コミュニティへの参加は「なんとなく」といった感じでいるのではないだろうか。そもそも、コミュニティに参加しているという意識すらないかもしれない。コミュニティに参加するという行為のほとんどが受動的なものなのだ。
今、少しずつではあるが、確実にコミュニティのあり方は変わりつつある。趣味や共感をベースとして、主体的にコミュニティを選ぶ時代に突入しようとしている。
堀江貴文さんのHIU、箕輪厚介さんの箕輪編集室、西野亮廣さんの西野亮廣エンタメ研究所がその代表例だ。
主催者の生き方・考え方に共感したり、そこに参加するメンバー同士の交流を楽しむべく、多くの人が主体的に集っている。
そこでは「楽しい」とか「面白い」という感情を重視しながら様々な活動がなされている。
主体的に参加することで楽しさが生まれ、楽しさが生まれることで、より一層主体的にコミュニティにコミットメントするような世界だ。
このような人たちが集まると、そこに参加する人たちにとって心地良い世界を目指すべく、コミュニティはよりクローズドな方向に向かっていく。
価値基準も変わる
一般的に価値はお金で表現される。
しかし、クローズドなコミュニティでは従来のお金は不要になりうる。コミュニティにおける価値基準と、外部の価値基準を合わせる必要がないからだ。
コミュニティ内だけで流通するお金(≒トークン)を作り、それを価値基準とするほうが使い勝手がいい。
ブロックチェーンはビットコインに端を発する技術であるため、トークンを生成して維持・運営する面において、ほぼ全てのブロックチェーン技術が何らかの考慮をおいている。コミュニティ内部で流通するトークンを作ろうと考えた場合、技術基盤としてブロックチェーンを採用することは自然な流れなのかもしれない。
コミュニティの価値観を定義するためにブロックチェーンを利用する。
そんな使い方がいいと思う。
コミュニティの価値基準を表現しやすい基盤は何か
これまでブロックチェーン基盤の選択は「参加者が不特定多数かどうか」、「管理者がいるかどうか」といった形式的な基準で判断されてきたが、
コミュニティが変化しつつある時代には「コミュニティの価値基準を表現しやすい基盤はどれか」という選択基準になっていくと思う。
コミュニティの価値基準を表現するという点に重きを置くのであれば、BitcoinやEthereumのようなオープン型のブロックチェーンにこだわる必要はない。むしろ、Hyperledger Fabricなどのプライベート型ブロックチェーンのほうが柔軟に運用できるため使いやすくなる。
クローズド化していくコミュニティの中で、独自の価値基準を作る。これが次の時代のスタンダードになっていくと思う。
それをブロックチェーンで実現するのであれば、プライベートブロックチェーンが向いている。5年後には、それぞれの価値基準で作られたプライベートブロックチェーンが乱立する世界になっていると、僕は確信している。