特別会第一弾(創業40周年感謝企画)、とても楽しめました♫ 当日の「聞香会セット」がお薦めです!
日頃の感謝を込めて企画した聞香会特別会第一弾は、おかげ様でご参加の香木愛好家の皆さまにとてもお喜びいただき、嬉しく思っています。
当日のメニューは以下の通りでした。
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聞香会~香木三昧のつどい~
「さまざまな古木を聞き比べる」メニュー
一.仮銘 夢路(真那賀)(無銘であったが、分木に際し仮銘を付した)
思ひつつぬれば見し世にかへるなり夢路やいつも昔なるらん
(長慶院御製)
二.浪花芦(真那賀)
三.花の通ひ路(真那賀)(無銘であったが、分木に備えて仮銘を付した)
かすみゆく宿の梢ぞあはれなるまだ見ぬ山の花の通ひ路 (九條良経)四.過ぐる春 (伽羅)(無銘であったが、分木に備えて仮銘を付した)
吹く風の音に聞きつつ桜花めには見えずも過ぐる春かな (村上天皇)
五.志ら雪(伽羅)
六.香久山(羅国)(百二十種名香)(苦 辛 甘)
七.大内(伽羅)(百二十種名香)(五味兼備)(水戸徳川家伝来)
(注)香久山・大内は分木の対象外となりますので、聞香会セットには
入っておりません。ご諒承のほどお願い申し上げます。
日時 令和五年一月二十五日
午前十時~十二時、午後二時~四時
場所 麻布香雅堂 守拙庵
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ご参加下さった方からご感想を頂戴していますので、感謝しつつ一部を転載させていただきます。
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昨日は「さまざまな古木を聞き比べる」に参加させて頂き、ありがとうございました。
古木はその香りはもちろんですが、まとっているエピソードや謎の多い神秘性が素晴らしいですね。
それぞれの香りを聞きながら、その香木がたどってきた軌跡を思い、壮大な物語を紐解いた気分になりました。
歴史には香りがある、そんなことを考えました。
通常では聞く機会のない貴重な香木を聞かせて頂き、至福の時間でした。本当にありがとうございました。
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メニューで特徴的だったのは、真那賀を三種選んだことでした。
いずれも伽羅を代用したものではなく、伽羅には出せない香気、すなわち真那賀に特有の「曲」がどのようなものであるかを体感できる貴重な例としてお聞かせしたかったものです。
(他にも霊元院勅銘香『雲間』・『波間』がありますが、そちらは次回の聞香会で炷きたいと考えています)
「仮銘 夢路」・『浪花芦』は、なるべく多くの愛好者の皆さまに分木できればと考えて推奨香木に選びました。
(『 浪花芦』は分木が終了となってしまい、申し訳ございません)
上の「仮銘 花の通ひ路」も記念の年に分木の対象とすることを考慮して仮銘を付しましたが、同様に、分量に少し余裕がある次の古伽羅にも仮銘を付けました。
この伽羅は、いつの時代のことか判りませんが包に「吟味向」と墨書されていて、とても興味深く感じました。
48匁、つまり180gほど残っていた時代の所有者が「伽羅」と判定していたものを、その後(恐らく明治か大正時代)の所有者が「伽羅なのか?」と疑いを持っていたらしいことが窺えるのです。
加熱してみると、その気持ちが手に取るようにわかります。
『これは、伽羅だと気付かない人が多いだろうなぁ~…』という感じ。香木
としては間違いなく伽羅と判断できるのですが、立ち始めから中ほどくらいまでは伽羅らしさが感じられづらく、殆んどの香人は「真那賀」と聞かれるだろうと想像できます。
火末に向かっていきつつ、ようやく伽羅らしい「甘」、つまり艶やかな曲を持たない「甘」を放ち始めるのです。
当初から真那賀・新伽羅・羅国の何れかに当てはめられそうな香木ですが、それを「敢えて伽羅と判じた当時の所有者の見識を讃えたい」などと偉そうに感心する次第です。
古木たちのハイライトは、やはり百二十種名香の『香久山』・『大内』でした。
今回は、名香では比較的に稀少な「羅国」としてひときわ存在感を放つ『香久山』の画像を紹介しておきます。
名香録に記された通り「苦 辛 甘」を重厚にバランス良く放ち、感銘を受けます。
これからも引き続き有意義な感謝企画を検討して参りますので、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。