聞香会~香木三昧のつどい~「六国シリーズ」を終えて…改めて感じる❝聞香の難しさ、深さ、面白さ、醍醐味❞
6回に亘って六国(木所)別に開催した聞香会が、去る9月29日に、おかげ様で無事にひと区切りを迎えさせて戴きました。
新型コロナウイルスの感染状況が一向に改善されない中、定員を大幅に削減するなど様々な対策を講じましたし、受付終了後に緊急事態宣言が延期された際には、急遽出席人数を削減するわけにもゆかず已む無く延期させて戴いたりもしましたが、原則的に月1回のペースを守ることができました。
6+1か月の間「うつらず、うつさず」を継続できたことは幸いでしたし、万全の体調管理を心掛けたおかげで風邪にも罹らず責務を全うできたことに、ホッとしています。
7月18日には2回目のワクチン接種を終えて感染・重症化のリスクは少しだけ回避できそうではありますが、今後とも気を緩めることなく、感染予防対策を実践して参る所存です。
さて掲題の件、現時点での感想を、少しだけまとめてみたいと思います。
印象的なのは、参加者のご感想が2つに割れる傾向が垣間見えたことです。
つまり「良く聞こえて、とても良かった」という方々が大半を占めておられる一方で、「あまり良く聞こえなかった」という方も散見されたことです。
今回のシリーズでは電気香炉を用いましたから、香炉ごとに火加減が極端に変わることは考えられません。
また、炷き出す香木は樹脂化の度合いが同じような箇所から慎重に截香しましたから、その点でも皆さまの条件は同じはずです。
そこで考慮すべきなのは「聞く人のコンディション」だと思われます。
「繊細な香気を感じとるために必要なコンディションを整えて臨まれたか否か」を思い起こしていただければ、何か思い当たる節があるのではないか?
そんな可能性を想起してしまいます。
勅銘香『雲間』の香気を絶賛された方のお話では、前日の晩御飯を抜き、当日も食事は控えてお茶しか口にせずに参加されたとのことでした。
まさしく名香を聞くに際しての心構えを実践されており、感銘を受けた次第です。
事前に食べた物、飲んだ物、身体に染み付いた匂いなどが聞香の精度に与える影響は、無視できないものがあるからです。
『雲間』のような名香の繊細な味わいを堪能できなければ本当にもったいないですし、取り返しがつかないとさえ感じてしまいます。
今後とも様々な企画で聞香会(鑑賞会)を開催して参りたいと考えていますし、幸いにして『雲間』は他の名香に比べると遥かにたくさん残っていますから再度の機会を設けることが可能です。
なぜ聞き取れなかったのか、どうすれば聞き取れるのか、どうぞ何度でもご参加いただき、皆さまと一緒に究めて下さいます様お奨め申し上げます。
なお真那賀の聞香会のリポートは、後日に投稿したいと思います。