推奨香木『仮銘 散らぬ花』について#3
昨日の続編です。
万力で何度も固定し直すと香木の損傷が心配なため、約4㎜ 間隔に見当をつけて、外側の端から挽き落とします。
順番に並べると、こんな感じです。
『仮銘 散らぬ花』の場合、これらのうち、最初に挽いた端っこの部分(写真の一番上)に最も樹脂分が集中しています。
この部分は、断面で見ると、下の写真のうち一番上の細かい欠片に相当します。従って、短冊状に綺麗に割ることは不可能な、小さな粒状になってしまいます。
通常であればなるべく綺麗な短冊状の部分だけを分木させて戴くのですが、この香木の場合は、ゴマ粒のように小さな欠片になってしまう部分が最も好ましい香気を放ってくれると期待できることから、敢えて割り屑としての扱いをせず、分木の対象とさせていただきます。
粒状の欠片は組香席に用いていただくことは難しいですが、鑑賞香席や趣味の一炷聞きには適していると思われます。
截香し終えた状態は、以下の通りです。
樹脂化の度合いが偏らないように割ったため木目が斜めになってしまっており、ご諒承下さいませ。
なるべく均等に各部を取り交ぜて計量するよう、心がけます。
昭和以前に渡来していたと思われる古木の味わいをご堪能下さいますよう、推奨申し上げます。