12月の推奨香木は、40周年感謝企画の総仕上げとなる勅銘香『千歳の秋』です!♪

本年もあっと言う間に霜月の終わりを迎え、ほどなく師走に突入しようとしています。
創業40周年に当たり永年に亘るご愛顧への感謝の気持ちを籠めて様々な企画を実行して参りましたが、いよいよ12月となり、めでたく大団円となります様にと、これまで以上に思い切った企画を実行することを決めました。
すなわち、勅銘香『千歳の秋』の分木です。

千歳の秋

この伽羅は有徳院(徳川吉宗の法号)拝領、桜町院の勅銘と記されており、日光准后(じゅごう)(准后は准三后の略で、太皇太后・皇太后・皇后の三后に准じた処遇を与えられた存在)の所蔵とされているようですが、その「日光准后」が誰に該当するのか、詳細は不明です。

いつの時代の外包か定かではありませんが、極めて上質な和紙です
この竹皮紙は江戸時代後期に調製され
保管状況を改善するために納め直されたものと思われます
恐らく竹皮紙に納め直すと共に、外箱も香木に合わせて調製されたと思われます
真田紐の色合い・デザインが極めて洗練されていて、所蔵者の人柄を偲ばせます

桜町天皇が付銘されたとすれば1735年から15年ほどの間と思われますが、『千歳の秋』は300年ほど昔から伝わっているとは信じられないほど木肌の滑らかさを保持しており、その感触は、かつて宇和島伊達家所蔵の『柴舟』を手に取らせて戴いた際のものと似ていて、驚くほかありません。
先ほどの写真を少し拡大したものを以下に載せてみます。

右端のあたりは比較的近年に縦割りした断面ですが、今にも樹脂が滲み出しそうな様子です

『柴舟』と似ているのは、感触だけではありません。
全体の色目も香気の内容も、極めて似ていると感じます。
12月の聞香会では両方を炷き出しますから、参加される方はぜひ聞き比べて下さいませ。

個人的な印象ですが、外見からも香気の内容からも黄油伽羅と見受けられ、
特徴的な香気は辛で、炷き始めから持続します。
11月の聞香会は五味のうち「辛」がテーマで、古五味名香二種を炷きますが、むしろ『千歳の秋』の方が手鑑香として有効では?と考えて、当日の「飛び入り隠しメニュー」として加えてみようと考えています。
ご参加の皆さまは、どうぞお楽しみになさって下さいませ。

冒頭でも触れました通り、創業40周年記念の年を締めくくる、大胆素敵?な特別企画として貴重な歴史的名香を分木させて戴きますが、その扱い方としましては、名香百二十種『香久山』を分木した際と同様に、あくまでも古木の伽羅としての価格設定とさせて戴く所存です。具体的な金額は社長が設定することになりますが、破格の特別限定価格になることは間違いないと思われます。
『香久山』分木の際には予め多めに用意した積りでしたが全く足りず、多くの香木愛好家の皆さまのご要望に応えられず申し訳なく存じましたが、この度はそれを上回る事態が予想されます。
出来る限り多くの皆さまと共有できます様に用意する所存ですが、行き渡らない場合には、なにとぞご容赦下さいます様お願い申し上げます。








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