【モジャ毛語り⑤】ヨッシーという巨大生物への一考察
【スズキアイミからのお題「ヨッシー」】
ヨッシー。
言わずと知れた国民的配管業者スーパーマリオの相棒・愛馬(?)であり、
かのシリーズの代表的なマスコットキャラクターの1匹(1頭?)であり、
飼い主(?)に負けじとカーレースもテニスもゴルフも大乱闘もこなすマルチプレイヤーであり、
人間を乗せて走る巨躯と強靭な脚力、
そして腸管と卵管が直結した謎内部構造を持つやべー生き物である。
よく考えたら、
舌で捕らえ頬張った対象を
噛み砕くでも消化するでもなく、
“そのまま卵殻で包んで産む”って、
なかなか正気の沙汰でない発想だ。
あの世界の神はどんなインテリジェントデザインセンスを施してるんだろう。
捕食にしては腸内滞在時間が短すぎて養分を摂取しているとは思えないし、
繁殖ではないだろう、
産んだタマゴから出てくるのがヨッシーじゃない時点で。
あの長い舌でペロンされ飲み込まれた瞬間、
“ヨッシー”と呼ばれる大型の肉食爬虫類の体内で一体どのような工程が行われているのか。
そして、
それが生命活動にとってどういった意味を持っているのか。
疑問は尽きない。
そんなヨッシー、
ヤマダヒロミチが小学生の頃には
彼を主役としたスピンオフ作品が頻繁にリリースされていたような気がするが、
(「ヨッシーのクッキー」、「ヨッシーのパネポン」、不朽の名作「ヨッシーアイランド」とか。歳がバレるね。)
最近は「ヨッシーの○○」的なタイトルをあまり聞かないような気がするので、
本来の職務であるマリオのサポート役に戻ったのだろう。
ヤマダヒロミチ自身も、
ゲームを日常的にプレイする習慣がなくなって久しい。
だから、
おそらく俺が、
最後に駆ったヨッシーは、
「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズにおける彼だろう。
スマブラ、ご存知だろうか?
任天堂が誇る人気ゲームの主人公たちが一堂に会するオールスターゲームの金字塔だ。
各作品の世界観をデフォルメしたファンシーなステージの上で、
マリオやピカチュウ、カービィといった可愛らしいキャラクターたちが、
殴る蹴る飛び道具何でもありのドツき合いの末に
相手をステージ外の奈落に突き落とした回数を競うという、
極めて過激で野蛮な格闘ゲームである。
ヤマダヒロミチは、
ニンテンドー64で発売された、
その過激で野蛮なシリーズ第1作目の、
ド直撃世代だ。
友達が人よりちょっぴり少ない小学校生活を送ったヤマダ少年ですら、
友達の家にソフトやコントローラーを持ち寄ってのスマブラ大会に興じたことは何度もあるし、
校庭でのリアルスマブラファイトごっこでガキ大将のH川に突き落とされた件はちゃんと先生に言いつけてやった。
当時の我ら世代の子どもたちの間では空前のブームであり、
おそらく、実際プレイしたことがない人はいても「そんなゲーム聞いたことない」と言う人はいないレベルで浸透していた。
そしてそこから大人気シリーズとして、
新作が出るたびに大きな話題になり、
その世代その世代のキッズたちを魅了しているモンスターコンテンツだ。
おじさんは今、
その第1作目(1999年1月発売)の話をしようとしているよ?
スズキアイミ(1998年5月発売)よ、
ついてきているかい??
だいぶ話が脱線したが、
ヨッシーはその初代作品から、
マリオらと共にプレイヤーキャラクターとして参加していた。
主であるマリオをぶん殴るヨッシー。
カービィやピカチュウやドンキーコングを尻尾で叩き落とすヨッシー。
マリオシリーズでの単なる乗り物としての彼ではなく、
獰猛な大型の肉食爬虫類としての脅威と勇姿がそこに。
そんな、スマブラにおけるヨッシーに関して印象に残っていること。
前述したように、
スマブラは相手をステージ外の奈落に落とした回数を競うゲームだ。
だが、
落とされそうになった側にも打開策がある。
復帰ワザだ。
どのキャラクターも、
スティックを上方向に倒しながらBボタンを押すことで、
強力な攻撃を繰り出しながら、
空中を上昇するようなアクションが取れるのだ。
ジャンプアッパーだったり、
ロケットのように飛んでいったり
剣を振り回して竹とんぼの要領でふんわり空を舞ったり。
キャラによって効果も動きも様々だが、
ほぼ全てのキャラが“上+B”で復帰ワザを繰り出せ、
ステージ外へ大きく吹っ飛ばされてしまったとしても、
その使い方次第で無事に戦場に復帰し、逆転が狙えるのだ。
そして、
ヨッシーには、
何故かその復帰ワザが無い。
ヨッシーの“上+B”はタマゴ投げ。
お腹を痛めて産んだ自分のタマゴを、
無精卵とはいえ惜しげもなく敵に投げつけダメージを与えるという
倫理観の破綻した遠距離攻撃だ。
ヨッシー自身が宙に浮かんだり飛び上がったりはしない。
なので、
ヨッシーはステージ外に大きく弾き飛ばされたらもう終わり。
“ハワワワワワワ...”という悲痛な断末魔を上げ、
きりもみしながら奈落へ落ちていく大型肉食爬虫類の最期を、
プレイヤーはただ見守るしかない。
何なら、
ヨッシーをプレイしていても、
他のキャラを操作する時のクセで、
ついつい反射的に“上+B”を入力してしまうものだから、
落ちる瞬間に、
空中で産んだタマゴを真上に放り投げながら真っ逆さまに消えていくという、
あまりにも悲しい散り様のヨッシーが全国で大量に発生した。
最後の力を振り絞って産み落としたそのタマゴも、
だいたいがステージの縁に当たって虚しく砕け散る。
あゝ無情。
その様が、
発売から20年以上経った今でも、
ヤマダヒロミチの脳裏に非常に強く焼き付いている。
当時は、
「やっべ、ヨッシーじゃん!復帰ワザ無いじゃん!」なんて叫んで、
ムダな産卵をしながら為す術なく落下していく彼の姿を笑いもした。
しかし、
違うのだ。
彼は、
ヨッシーはきっと、
最後の瞬間まで勝負を諦めていないのだ。
自分に他キャラのような復帰ワザがないことは百も承知。
それでも戦場に立ち、
奮闘虚しく痛めつけられ場外へ。
その瞬間、
彼は、彼方のステージ目掛けて、
最後のタマゴを産み放つ。
タマゴ投げのダメージなんて微々たるもの。
だとしても、
自分を蹴落とした敵に一矢報いたい。
自分を拒んだ大地に爪痕を遺したい。
もしかしたら、
今産んだタマゴから
ピッコロ大魔王のように自分のクローンが生まれ、
非業の最期を遂げた自分の復讐を成し遂げてくれるかもしれない。
そんな一縷の望みに賭けた、
最後のタマゴ投げ。
キミは、そんな彼を笑えるかい?
ヤマダヒロミチだってそうありたい。
何度打ちのめされ蹴落とされても、
最後の瞬間まで照準を定め続ける。
そして、
スマブラのように落ちても落ちても1から復活し、
自分をバカにしてきたヤツらに改めて強烈な一撃をお見舞いしてやるのだ。
目指すのは、
音楽業界という大乱闘の頂点??
否、
ペロンだ。
長く、いやらしく、
どんなものでも一度捕らえたら離さないその舌で、
ピーチ姫のスカートの下や、
ゼロスーツサムスのスケベボディラインを、
ペロンしたい。
ペロンペロンし続けたい。
ヤマダヒロミチは、
スマブラのヨッシーを見習ってこのステージの上で戦い続けよう。
そう、
ヨッシーこそ漢の中の漢。
・・・あれ?
ヨッシー、産卵するからメスじゃね???
ハワワワワワワ...
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