【プロット】鏡のなかにいる罪悪感を抱えたダンサー
T県の山奥に洋館がある。
時の流れが止まったかのように、荘厳な佇まいで森の中にひっそりと調和していた。
木製の重い扉を押し開けると、軋みながら光が一本の筋を中へ落とす。
奥の部屋には豪華なドレッサーがあった。
鏡の中にはお化けでも出そうな雰囲気を感じる。
ふと、人影が横切ったような気がした。
「そんな、ばかな」
頭を振ってもう一度鏡を見る。
見知らぬ男がこちらを見ていた。
「ああ、またか。
また間違えた」
ぶつぶつと呟いて、軽いステップで奥へ下がると、床を蹴り始める。
タップダンスだ。
なかなかうまい。
眺めていると、大きなため息をついてこちらへ近づいてきた。
「ダンスって、人を幸せにするし、不幸にもするんだよ」
ニヤリと口角を上げたが、顔は暗かった。
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