【プロット】マッチョな公務員が、井戸のなか
この辺の古井戸の状況を調査するために回っていた安部は、廃屋の庭先に出た。
公務員の仕事は、多岐にわたる。
草取りや雪かきよりはマシだが、古井戸など放っておけばいいと思う。
裏手に回ると微かに猫の鳴き声がする。
反響して響いていたので、もしやと思った。
井戸を覗き込むと、鳴き声がハッキリと聞こえた。
やはり落ちている。
筋力には自信があったので、自力で救い出すことにした。
車からロープを持ちだし、身体にフックをつけた。
ゆっくりと中へ降りていくと、5メートルほどで底に達した。
猫をリュックに詰め込んで、ロープをよじ登る。
地上に顔を出すと、女の子が待っていた。
「ありがとう。
おじさん」
数日前に落ちていて、エサやミルクを投げ入れていたそうである。
猫は安部になついてしまって、女の子の家に一緒に行くことになった。
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