10代後半から、孤独を感じることが出来るようになったと思う。
それまでは、友だちがいつも傍にいたし、勉強や部活、遊びで忙しかった。
高校生になってから、勉強する意味、そして社会に出てから何をするかを本格的に考え始めて、物事の本質を意識するようになった。
歌の文句で「人混みに流される孤独」などを認識するようになったと思う。
自分の深い部分にある葛藤を話すことができず、誰にも理解されない、と感じることを孤独と呼ぶのだと、多分歌で知った。
将来への漠然とした不安を感じるようになったのも、そのころである。
自分は元々流行に鈍感な田舎者だったので、高校生になって初めて自宅で音楽をかけて聞く、という文化に出会った。
若者が聞く音楽を、自分の部屋に持ち帰ってみると、ある程度は悩みを共有できた。
「ああ。自分と同じことを考えてる」
と思えるアーティストもいたので、ちょっと安心できて繰り返し聞いた。
そんなときアーティストは孤独を歌っていた。
独身時代が長かったが、仕事したり資格取得の勉強をしたり、かなり本格的に運動もしていたので、いつも肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱいで、孤独を感じることはあまりなかった。
家庭を持ったのは、ギリギリ安全に子どもができる歳だったが、タイミングは良かったと思う。
今は穏やかな家庭に満足している。
こうして、自分のことにも目を向けるようになってきて、筆を取るようになった。
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