「フェチ=フェティシズム」というワードに関する改めての考察
とある女性向けの恋愛サイトが
『女性のアレをに魅力を感じる!
ちょっと珍しいフェチ3選』
…なるタイトルの記事を配信しておりました。
その「ちょっと珍しいフェチ」ってやつを
チェックしてみると、
・爪
・瞳
・歯
…の「3選」で、正直そこまで珍しくもなく、しかも全体的な論調としては
「男子は意外とこの3つのパーツをよく見ているので、爪や歯は欠かさずケアしようね、
瞳に関してはちゃんと相手の目を見て話そうね」
…といった一般論を促しているだけだったので、
正直がっかりしてしまいました。
このように、昨今は「フェチ」なるワードが、単なる
「○○好き」
…の代用として、安易に使われすぎているような
気がしてなりません。
「フェチ」とは「フェティシズム」を略した和製英語で、元々は宗教学用語の「呪物崇拝」を起源とし、これをマルクス経済学が「物神崇拝」という解釈にまで発展させました。いっぽう、心理学的には
「性愛の対象が異性の存在全体ではなく、その身体の一部や、関係する物品(相手の持ち物や身に付けた物など)に対して、とくに強く向けられる傾向をフェティシズムと呼ぶ」(コトバンクより引用)
…らしく、したがって「女子の爪や瞳や歯を男子はよく見ている」という事実を「フェチ」と呼ぶのは拡大解釈すると決して間違いではないのだけれど、せめて
「コレじゃなきゃダメ!」
…的な、「特定の強いこだわりがある肉体パーツの形態…もしくは、それに関係する物品(相手の持ち物や身に付けた物)のみに使用は限定する」くらいの注意深さは持ち合わせてほしいな
…とぼくは個人的に考えます。
いちいち小うるさいおっさんで恐縮ですが…(笑)。
つまり、ぼくが提唱する理屈で言えば、
同じ「爪」「目」「歯」でも
「深爪フェチ」
「デコネイルフェチ」
「青い目フェチ」
「八重歯フェチ」
…とかは、まあアリってことで、
ほかにも比較的スタンダードなケースとしては、
「(浮き上がった)鎖骨フェチ」
「(浮き上がった)アキレス腱フェチ」
「巨乳フェチ」
「貧乳フェチ」
「ピンクの乳輪フェチ」
「うなじフェチ」
「(サラサラ)髪フェチ」
「生脚フェチ」
「血管フェチ」
「髭フェチ」
…などが挙げられ、あと、視覚以外にうったえる要素だと「(きつい)匂いフェチ」「(渋い)声フェチ」…。さらに、中級者・上級者(?)のフェティストには「ソバージュ(パーマ)フェチ」「ホットパンツ(←死語?)フェチ」「白タイツフェチ」…
なんてヒトたちも実在します。
いずれにせよ、目だったら目で、たとえば
「三白眼じゃなきゃイヤ!」
…みたいなワガママは必須ということ──ただし、「異性のヘソが大好物!」な
「ヘソフェチ」
…あたりは、街中だとなかなか堂々とヘソを凝視できる機会はなかなかに稀なため…やはり、かろうじて
アリなのかもしれません。
とある言葉が世に出回り、
「ポピュラー化しつつ意味合いを徐々に変えていく」
…のは、たしかにしかたない現象だとは思います。が、本来の「フェティシズム」という言葉に含まれていた一種の倒錯性のようなニュアンスだけは、これからも残存させていくべきなのではないでしょうか?
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