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「これからのおじさんは清潔感ですよ!」という言葉への違和感

先日、とある同世代の男性Iさん
サシで飲んでいるとき、

「これからのおじさんは清潔感ですよ!」

…と、何度も何度も繰り返し
諭(さと)されました。

Iさんは、某アパレル企業の偉いさんで、
ほぼグレーで埋め尽くされたには
綺麗なウエイブがかかっており、
じつは緻密な計算によって
お手入れされている無精髭に、

完璧なスキンケア、自然なフレグランス
シンプルだけどいかにも高価そうな
イタリア系ファッション…と、まあ
「清潔感ただようおじさん」としては
「100点満点」の、いわゆる

「イケオジ」

…であります。(※連れられたお店もコースからスタートするオール時価で、ワインとのマリアージュを売りとする、学芸大学にある高級焼き鳥屋でした)

たしかに、ここ数年…ネット上でも、
中高年男性向け恋愛指南系マニュアル
「おじさんのたしなみ」的な記事を開いたら…

「モテる(好かれる)おじさん」

…のマスト要素として、

「清潔感」

…を謳(うた)う──もっと言えば

「コレしか謳っていない」
(※=「清潔感さえあればOK!」みたいな?)

…ケースが目立ち、正直なところ
ぼくは、そんな風潮に
いささかの違和感をおぼえてなりません。

だって…ですよ!

「不潔な男が嫌われる」

…のは、なにも
中高年層にかぎった話ではないじゃないですか!
ヤングな男子でも、今のご時世…
清潔であるほうがモテるのは当たり前!!

いや、「清潔感」を担保したうえで、
「シブい中高年がモテる」だとか、
「聞き上手な中高年がモテる」だとか、
「お金持ちな中高年がモテる」だとか、
「美味い店を知ってる中高年がモテる」だとか、
「ガツガツしていない中高年がモテる」だとか、
「逆に可愛い中高年がモテる」だとか…と、

「プラスα」

…があれば、それがたとえ
正しかろうと間違っていようと、

「モテる(好かれる)おじさんマニュアル」

…としては、(一応)成立すると思うんですよ。

でも、「清潔感に気を配る」という、
もはや老若男女すべてに該当する啓蒙だけ
あらためてされても…ねぇ???

幼少期には近所にドブが普通にあったり、
狂犬病防止の金属マスクを付けた野良犬
街中を歩き回っていたり…
四角い石鹸一つだけで
身体と髪を一緒に洗っていたり、
電車の中での喫煙が常態だったり…といった
「汚」な環境下で育ってきた
我々世代の(とくに)男性は

「清潔に対する偏差値」

…が、飛び抜けて低い…とでも
見なされているのでしょうか?

これは一種の被害妄想
過ぎないのかもしれませんけど、
ぼくはコレ…

「おじ(い)さんは老害にならないよう、
せめて無臭になって大人しくしとけや」

──すなわち

「存在感を消すこと」

…を暗に通告されているような
気分がしてならないんですよ。
そして、それはぼくにとって、
とても「嫌な気分」であり、
そんなことを言われると、

「強い臭気を発してでも俺アピールしてやる!」

…とまでは、さすがに思いませんけど(笑)、

「人間、引き際が大事? 関係ねえよ!」
「死ぬまで “現役” にしがみついてやる!」
「スキあらば若い世代の仕事を横取りしてやる!」

…くらいには俄然ファイト
掻き立てられてくるのであります。

もちろん、あくまで

「社会がぼくのことを心底から必要としている」

…のであれば…が
大前提ではあるんですけどね(笑)。


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