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「馬場みたいでしょ? ジャイアント馬場みたいでしょ?」(某若年男性向け総合情報誌の企画ページ/明らかに失敗に終わった撮影を無理やり通そうとしたときの担当編集者に対する言い訳)

もう20年以上も前──
ぼくがまだ雑誌の企画ページ
編集仕事に携わっていたころ…

「仕出し屋」

…なる職業が、マスコミ業界
けっこうな幅を利かせておりました。

では、「仕出し屋」とは、
実際なにをして銭を稼ぐのか…
一応、かいつまんで説明すると、

「雑誌に載ったりテレビに出たりする
素人の男女を用途に合わせてブッキングする」

…いわゆるスキマ産業でありまして…たとえば

「女子大生30人が誌面で公開彼氏募集!」

…みたいな企画を立てたとすれば、

「なるたけ可愛い女子大生を
30人集めて、
撮影現場に入れ込んで、
出版社側から支払われる
ギャラの何%かをかすめ取る」

(※まだメディアに対する憧れが強い時代だった
のか、「雑誌に出させてあげる」という
“上から目線” で100%かすめ取る
ケースも珍しくありませんでした)

人脈だけを頼りとする、どちらかと言えば

「薄利多売」

…な、お仕事であります。

で、当時、そんなあこぎな

「一種の人身売買?」

…を、(当時)ぼくの知り合いであった
Hクンというヒトが

「食いぶち」

…にしていた時期がありまして、
そのHクンにぼくが、
一度仕出しを発注したときの話です。

とある若年向け男性向け情報誌で、

「おもろいカップル大集合!」

…といった風の企画を立てて、そのうちの一組として

「プロレスラーみたいな男と
身長150㎝以下の女の子を連れてきて」

…と頼んだのですが、たしかに彼が連れてきた女子
見事に身長147㎝、いっぽうの男子は身長190㎝

──と、一見は注文通り!
…だったんだけど、男子の体重が、なんと!

「60㎏にも満たなかった」

…のです。当然、ぼくはHクンに、

「こんなガリガリのヒョロヒョロ
連れてきてどうすんだ! 話が違うだろ!?」

…とクレームを入れます。ところがHクンは、

「馬場みたいでしょ? 
ジャイアント馬場みたいでしょ?」

…と言い張って譲りません。

結局のところ、ぼくもだんだん
そのノッポがなんとなく

「ジャイアント馬場」

…に見えてこないようにもなくなりはじめてきて…
しょうがなしに裸にして

「赤いパンツ」

…をはかせて、今度はぼくが担当編集

「馬場みたいでしょ? 
ジャイアント馬場みたいでしょ?」

…と説得し、かろうじて(?)
事なき(?)を得たのでありました。

また、ぼくは直接被害こそ被りはしなかったものの、
こういう話もありました。

当時、そこそこ人気のあった
某グラビア系エロ本の編集部に、Hクン

「完ペキ素人女子大生
6人がお部屋でヌード!」

…という肝入り袋とじ企画

「仕出し込み」

…で持ち込んだ…とのこと。

ところが、その6人イザ撮影となって、
(※本当に女子大生だったかもかなり怪しかった、
オマケに全員あんまし可愛くなかった…と、たまたま
現場に居合わせた某知人は、のちに語っています)

「脱ぐなんて
聞いてないんですけど〜!」

…と、ゴネはじめ、
(※現場に連れて行けばなんとかなるだろう、
とHクンは見積もっていたに違いない…と、たまたま
現場に居合わせた某知人は、のちに語っていますw)
最終的には、本来なら誌面で
もっともハードじゃなければいけないハズの

「袋とじ16ページ」

…が、終始

「パジャマパーティ」

オンリーとなった…らしい。

慢性的な構造不況と経年劣化にあえぐ
昨今のマスコミ業界
とくに出版の世界では絶対に許されない

「ほのぼのとしたいいエピソード」

…じゃありませんか…と、
ノスタルジックな気分に浸るぼくは
やはり、もう感覚が古いのでしょうか?

ちなみに、この「仕出し屋」なる職業、
現在は経費削減の波にのまれ、もはや

「絶滅危惧種寸前」

…なんだとか???

合掌?????

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