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左利き
「左ってだけで三割方、
有利なスポーツなんだからさ。
野球ってスポーツは」
…みたいなことを、ぼくがバイブルとして愛読する高校野球漫画『ラストイニング』の主人公・鳩ヶ谷監督が作中で申しておりましたが、
「左投げ左打ち」
…のぼくは、草野球人生の約20年間── “ソレ” が
有利だと実感したことは悲しいかな…
ほとんどありません。
たしかに、「左打ち」(=打撃)に関しては…たまーにそう感じることもあります。ホンの数歩だけ一塁ベースに近いし、右方向に進塁打も打ちやすいし…。
しかし、「左投げ」(=守備)にいたっては…まったくもって不利のオンパレード(泣)! なぜなら、左投げの選手は「守備ポジション」がかなり限定されてしまい、40歳を過ぎてから野球をはじめた…ぶっちゃけ下手クソなぼくなんかは、スタメンから弾き出されてしまうケースが多々あるからです。
念のため、野球にあまり詳しくない人たちのために…「守備において左投げ選手がどれくらい不利なのか」を、ざっくり解説しておきましょう。
・ファースト以外の内野手:ゴロ処理の際、
基本的には左側に向かって投げるので、左利きでは投げづらい。
・キャッチャー:野球は右打者が多いため、右投げじゃないと二塁や三塁に投げづらく、ホームでのクロスプレイも捕球が逆側なので、タッチがしにくい。
したがって、左投げ選手がこなせるポジションは「ファースト」と「外野」…ってことになるわけですが(※対して、右投げの選手がこなせないポジションはありません)──身長170㎝程度のぼくは「ファースト」だと他の内野手が目掛けて投げる「的」が小さくなるため…やはり、あんまし向いていない…。
かといって、「外野」も加齢するごとに目の衰えが顕著となってしまっているぼく(を含む中高年層)は、ついつい打球を見逃しがちに…。となれば…結局のところ、ぼくに残されたポジションは必然的に
「ピッチャー」
…オンリーに絞られてくるのです。
だから、ぼくはこの3年間ほど…ヒマさえあれば
ピッチング練習に専念してきました。
そんな努力のおかげか、球速こそ100キロにも届きませんけど…牽制球やクイックモーションもなんちゃってレベルでしかできませんけど…コントロールはなかなかのもので、フォアボールの連続で試合を壊すような真似も絶対にいたしません。(※どういうわけか、先頭打者に出会い頭のホームランを打たれやすいという悪癖はあるのですがw)
「なんだかんだ言ってピッチャーこそが野球の華!」
…なんて大それた虚栄心も微塵たりとてありません。ただただ、ぼくがあと10年20年…と、自身の草野球チームで自分の居場所を死守するためには…
「ピッチャー」という、唯一左投げがやや有利となるポジションにしがみつくしかないのです。