スティックを握ってたった4日で…名ドラマー村上 “ポンタ” 秀一の「スゴい伝説」(コラム/『現代ビジネス』より)
2021年3月──日本を代表するトップドラマーであった村上 “ポンタ” 秀一さんが視床出血のため永眠なされた数日後に(享年70歳)、ポンタさんへの
オマージュの意を込め、『現代ビジネス』に寄稿した
渾身作であります。
この『お気に入り過去作品』マガジンにある、「スペインのマドリッドで観たフラメンコの魅力」を
紹介しているコラム内で、ぼくは
「もしかすると自分は “音楽” というよりは
“ドラム” が大好きだけなのではないか?」
…みたいなことを書きましたが、本コラムはその言葉を皮肉にも(?)完璧に裏付けしているかのごとく…まさに
「ゴメスのドラム愛」
…が、溢れんばかりに凝縮されており、
ゆえにプレイヤー以外の人たちにとっては、
「ややマニアック」
…な内容になってしまいました。(※それをほぼ加筆・修正なく、そのまま掲載してくださった『現代ビジネス』さんには、とても感謝しています)
村上 “ポンタ” 秀一さんが、いかに天才的なドラマー…いや、ドラマーの枠を超えた素晴らしいな音楽家であったか…についての詳細は、ぜひ↑をクリックして読んでいただきたいのですが、じつはぼく…まだ
大学生だった40年以上も前──神戸にあった
『トンボ』というジャズ喫茶で、一度だけ村上さんと
対面したことがあるんですよ。
たしか、山下洋輔(※ピアニスト。肘で鍵盤を鳴らす…など、独特の奏法が有名)が主宰していた
『寿限無ツアー』を神戸のコンサートホールまで観に行った帰り、『トンボ』に寄ってライブの余韻に浸っていたら…偶然にも、寿限無メンバーによる
打ち上げの二次会がはじまったのです。
山下洋輔に作家の筒井康隆に、たまたま神戸にいたらしいギタリストの高中正義…ほか、錚々たるメンバーが集まり、そこに遅れて、モデルみたいに煌びやかな女性を二人引き連れ、
「両手に花、両手に花!」
…とニコニコしながらポンタさんが颯爽と登場!
大柄な体型(※それまではもっと小さいヒトだと勝手にイメージしていました)に洒落たハンチング帽にPコートとカラフルなマフラーをコーディネイト──その眩いばかりの圧倒的なオーラに、ぼくはただただ呆然と立ち尽くすのみで、なんとか持っていた
ショルダーバッグにサインをしてもらうのが
精一杯だった…。
とにかく、叩いている姿だけじゃなく
立ち振る舞いすら一部の隙(すき)もない、
「カッコイイ!」
…という、つき並みにして最大級の賛辞が
相応しい唯一無二なドラマーでしたね。
もちろん、そのサイン入りショルダーバッグは今でも大阪にある実家の自分の部屋に飾られており、
この日をきっかけにぼくは、今では世界レベルのJAZZドラマーである池長一美氏に師事して…
よりいっそうドラムの世界へと
のめり込んでいったのです。
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